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平成22年12月4日 臨時会見/東北新幹線全線開業に係る知事記者会見

会見日時:平成22年12月4日(土) 11:30 〜 11:45
会見場所:ホテル青森3階「あすなろの間(A)」
会見者 :三村知事

○司会
 ただ今から、知事記者会見を始めさせていただきます。最初に、知事から開業に当たってのコメントを申し上げます。
 
○知事
 早朝より、記者の皆様におかれましては、大変お疲れ様でした。寒い中、熱心に取材していただいたことに、感謝申し上げます。
 私から、開業における所感を申し上げさせていただきます。
 青森県民の長年の悲願でございました、東北新幹線の全線開業が、本日、ついに実現しました。
 新たに誕生いたしました、新青森駅や七戸十和田駅など、各新幹線駅では「はやて」出発式、新青森駅でのリレー列車「スーパー白鳥」及び「リゾートあすなろ」出発式、「旬味館」、「A-FACTORY」オープニングセレモニー、また、東北新幹線全線開業と同時に全線開業した並行在来線「青い森鉄道」出発式などが無事、それぞれ執り行われたほか、開業記念イベント及び祝賀会が県内各地で開催されるなど、全線開業をこのように県下一円で盛大に迎えることができましたことを、すべての県民の皆様方とともに、心から喜びたいと思います。
 また、本日は、大臣もお見えになりましたが、国土交通省、JR東日本、鉄道・運輸機構の皆様、地元国会議員や県議会議員の皆様をはじめ、これまでこの事業に携わってこられた多くの関係者の皆様方のご尽力とご協力に、深く敬意を表しますとともに、県民を代表して、心から感謝申し上げたいと思います。
 待望久しいこのたびの東北新幹線全線開業は、昭和47年の盛岡以北の基本計画決定から、実に38年にわたる長い歳月を経て、ようやく実現したものでございます。この間、青森県にとっては、決して平坦な道のりではなかっただけに、諸先輩方をはじめ、多くの関係者の皆様方の長年のご尽力、また、ご努力に思いをいたすとき、誠に感慨深いものがあり、今朝、新青森駅を一番列車が旅立った時、先輩方の長年の熱き想いを感ぜずにはいられず、思わず感極まるものがございました。
 全線開業により、本県と首都圏との時間距離が大幅に短縮されたとともに、航空路線、高速道路とあわせ、高速交通ネットワークがこれまで以上に充実し、地域間交流の活性化や交流人口の飛躍的増大など、大きな効果が期待されます。
 これは、私ども青森県にとって、観光産業のみならず、生活のあらゆる分野、社会経済全般へ大きな影響をもたらすものでございます。この全線開業を千載一遇のチャンスと捉え、開業効果を最大限に活かし、元気な青森県を創ることこそ、私たちに課せられた使命であると、今日改めて思いを強くしたところです。
 今、地域が積極的に動き、地域の活性化を図り、地域に「人」や「もの」を引き込む、いわば「地域の挑戦」が県内の至るところで見られるわけでございます。
 全線開業は県民一人ひとりが主役でございます。県民の皆さん一人ひとりの暖かいおもてなしが、多くのお客様を感動させ、一つひとつの取組が、これからの青森県を支えていくことになると考えています。
 東北新幹線は、未来への挑戦を始めた青森県民の夢と希望を乗せて、「はやて」の如く、そして「はやぶさ」の如く、輝かしい青森県の未来に向け、今日、走り出しました。
 青森県にとりまして、記念すべき今日のこの日を、新たなスタートとして、引き続き、県民の皆様方と一丸となって、私たちのふるさと青森の魅力づくりに全力で取り組んでいきたい、そう考えております。
 以上、所感とさせていただきます。
 
○司会
 では、幹事社の方からお願いいたします。
 
○幹事社
 質問を三点、まず、並行在来線の国からの支援策について、先程、出発式の場で、馬淵大臣からの発言がありましたが、それについて一点。
 二点目として、38年の歳月を経て、いよいよ開業を迎えましたが、今のコメントとも重なる部分があるかもしれませんが、経済効果獲得について、今後どのように取り組んでいくのか、意気込みを伺いたいと思います。
 三点目として、これは、青森市の問題になるかもしれませんが、新青森駅周辺に大規模な施設が何もないままでのスタートになりましたが、その点についての所見をお願いいたします。

○知事
 まず一点目、並行在来線の財政支援の実現につきましては、県政の重要課題として、これまで県議会と密接に連携しながら、一体となってその必要性と、国の貨物流通の大動脈でもある並行在来線の維持にあたっては、地方負担によるのではなく、国が積極的に関与すべきであることを、国に訴えてきたところです。
 また、整備新幹線建設促進三道県協議会の私ども青森県、岩手県、北海道知事による要請など、広域的・全国的な組織とも一体となって要請活動を行ってきたところでございます。
 このように県議会の皆様をはじめ関係者が一致協力して、国に対して波状的に強い要請を繰り返す中で、国におきましては、去る先月25日の記者会見において、津川国土交通大臣政務官から「並行在来線の厳しい経営状況については、国としても十分認識をしている。支援については、12月4日に開業する青森県をはじめとした関係地方公共団体からの強い要望を受けている。具体的な支援方策について年末の予算編成の中で結論を得るべく、鋭意取り組んでまいりたい。」と前向きな発言があったところでございました。
さらに、私は大臣と離れた場所で取材を受けていたので、自分としては、しっかりと確認はしておりませんが、本日、馬淵国土交通大臣から、具体的な支援策に向けて「年末の予算編成の中で結論を得たい」との心強い発言があったと伺っております。その実現に強く、本当に強く期待するものでございます。
 県としては、これまでの要請活動の上に立ってさらに一層、青い森鉄道線の維持・存続に係る県負担を最大限軽減するスキームの実現に向けて、関係各位と連携強化しながら強く求めていきたいと思います。
 次に、これからの開業効果獲得についてのご質問がございました。度々申し上げていますが、私は、開業はゴールではなく、ハードとしてはゴールかもしれませんが、我々青森の元気づくりのスタートである、との思いから、先頭に立ちまして県民挙げての機運の醸成や開業効果を最大限に獲得するための様々な取組を推進してきました。
 こういった中で、各地域や関係機関、そして県民一人ひとりが、自らの地域の良さや可能性に気づき、観光コンテンツの充実、おもてなしの向上、二次交通の整備、新たな事業創出などに主体的に取り組んでいる現状、これは非常に大きな成果であり、大変心強く感じているところでございます。
 本日の東北新幹線全線開業による首都圏を中心とした全国各地域との交通アクセスの向上ということは、交流人口を拡大し、観光振興のみならず、企業誘致や県内企業の事業創出・販路開拓ひいては雇用拡大、これは我々にとって大切なことでございます、など産業全体の振興を図っていく上でも、大きなアドバンテージとなるものと考えている次第であります。
 さらに、来年の3月5日には時速320kmの「はやぶさ」が導入されます。さらに時間が短縮され、(新青森・東京間)3時間10分、3時間5分ということになってまいります。そして、4月23日から7月22日までは「青森デスティネーションキャンペーン」など、本県にとりましては開業効果を継続して獲得する大きなチャンスが続くことになります。したがって、先に策定しました「とことん元気な観光産業づくり」を目指しました「未来へのあおもり観光戦略」に基づき、官民一体となった態勢により、観光振興に向けた取組を更に強化いたしますとともに、本県の優位性を活かした地域産業の振興に全力で取り組んでいきたいと思います。元気な青森県づくりを県民の皆様とともに目指していきたいと考えるところでございます。
 新青森駅周辺の関連の話でございます。度々お話はさせていただいておりますが、まちづくりは基本的には市町村が担うべきものでございますが、青森市では、新青森駅周辺について、交通ターミナル機能に加えて、中心市街地との役割分担を踏まえた一定規模の商業施設や宿泊施設等の立地誘導、青森らしさを象徴する景観誘導等を進めることとしていると伺っております。それを目指し、数回にわたって、土地の購入者を募集している状況にあると伺っております。
 現時点では、18区域の保留地のうち2区域が売却済みとなっている状況にあるようでございます。
 経済不況などが影響しているためでしょうか、売却がなかなか進んでいないようでございますが、まちづくりには時間がかかるものと私どもとしては考えております。長い目で青森市の取組を見ることも必要ではないかと考えている次第でございます。
 私としては、最近の国内全体の経済概況に回復の兆しが見られることに加えて、新青森駅開業後の交流人口の増加等に伴い、今後売却が進み、まちづくりも進むことを期待しているところでございます。
 
○司会
 それでは、各社からお願いいたします。
 
○記者
 先程、知事は、これまでご尽力された方に敬意を表するとの発言をしました。いろいろと紆余曲折があった新幹線開業だと思いますが、この「敬意を表する」という部分について、もう少し詳しくお聞かせ願います。
 
○知事
 今朝、最初の出発式の際にも、「艱難(かんなん)辛苦(しんく)」と言う表現で申し上げたのですが、新幹線は日本の経済が成長する過程で、オイルショックがあったり、あるいはバブルがはじけたりと、様々な経済変動、または、中曽根内閣で言うところの国鉄改革における民営化だとか、まさに、経済と時代の大きな波に洗われ、具体的なハード整備を進めていく上で大変な苦労があったということを、私どもとしては感じているところでございます。
 その場面において、歴代の知事さんや、国会議員や県議会議員の皆さん、市町村長、経済団体、そして県民の皆さんが、新青森までの開業について最大の御尽力、御努力をいただいたことに、私としては敬意を表したい、という思いであります。
 
○記者
 並行在来線について、国からの支援はこの年末に向けてということですが、それ以外に、新しい地域の足として、青い森鉄道、並行在来線を活用し、盛り上げていくためには、どのような課題をクリアし、どのように進めていくのか伺います。
 
○知事
 今、非常にすばらしいことだと思っているのは、NPOが何カ所か立ち上がっているのですが、例えば、自分の住んでいる駅を中心として、もう一度まちおこしを考えるといった取組が進んでいます。マイレール意識を持ち、自分の住んでいる駅をどう活用するかということを、NPOの方々がそれぞれ競い合い、取組を進めてくれています。
 あるいは、青い森鉄道そのものにおいても、新しい取組として、煎餅を切符にしてみたりといった取組のみならず、マイレール意識を高めるための働きかけや呼びかけを進めているという状況にございます。
 また、(青い森鉄道の)関社長とも時々話をしているのですが、ビジネスというか、地元が進めるのであれば、連携して取り組もうとか、いわゆる、鉄道そのものを一生懸命応援する応援団を創り、なおかつ、駅という地域の拠点において、経済的にも元気を創る活動が進んでいくということ、このことが非常に大事なことであると考えています。
 もう一度話を戻すとすれば、マイレールとして、あるいは二次交通の要としての我々の自助努力の部分があるわけですが、この国の本州と北海道とを結ぶ大動脈、物流の根幹中の根幹という点について、今朝ほどの大臣のお言葉、我々としては大変前向きなお言葉だと思っています。この国の物流の根幹、大動脈としての重要性を認識しての支援スキームのあり方、しかも私どものスキームの形が、これから全国でどんどん出てくる並行在来線のスキームとリンクしていくわけですので、しっかりとしたものをお示しいただき、また、支援の仕組みを示していただけるのなら是非とも早い時期に、と思う次第であります。
 
○司会
 これで記者会見を終了させていただきます。ご協力ありがとうございました。
 
-以上-
(記録:新幹線・交通政策課)

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