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臨時会見/平成18年度当初予算案について

会見日時:平成18年2月20日(月) 14:00 〜 14:55
会見場所:第三応接室
会見者 :三村知事

○知事
 平成18年度当初予算案の概要について、お手元に配付してあります、「平成18年度当初予算案の概要」に基づき、御説明申し上げます。

 はじめに、今回の予算編成についての基本的な考え方を申し上げます。
 平成15年11月の財政改革プラン策定以降、平成16年度の地方財政対策における地方交付税総額の急激かつ大幅な削減に加え、平成17年度の国の予算においても地方交付税総額が前年度の水準をさらに割り込むなど、本県財政を取り巻く歳入環境は一変し、財政改革プランや青森県行政改革大綱に基づく財政健全化への取組みを徹底・加速してもなお財源不足額は大幅な拡大を余儀なくされております。
 こうした財政改革プランの歳入面における環境の劇的変化、さらには三位一体改革や国全体の歳出改革路線といった状況等を踏まえ、昨年10月、中期的な財政運営の基本的考え方を明らかにした「中期的な財政運営指針」をお示しし、財政改革プランが目指す持続可能な財政構造の確立を目標としつつ、その達成に向け、中長期的視点に立って公債費や人件費などの義務的経費等の改革を進めていくとともに、財政改革プラン及び青森県行政改革大綱に基づく取組方策を徹底・加速し、毎年度の財源不足額の圧縮に努めていくこととしたところであります。
 このため、平成18年度当初予算は、「中期的な財政運営指針」に沿って、「県債発行の抑制等により、平成20年度までの元金ベースでのプライマリーバランスの黒字化達成に向けた改善を着実に進めること」及び「財源不足額について、財政改革プランとの乖離幅をできる限り縮小すること」を目指して編成することといたしました。
 また、構造的改革への不断の努力により財政の自由度を高めながら、「施策の選択と重点化」をこれまで以上に徹底し、生活創造推進プランを踏まえつつ、「人財」、ひとのたからで当て字でございますが、及び「産業・雇用」に係る施策展開や、市町村の自立促進のための支援策、団塊世代をターゲットにした施策、医師確保対策、新幹線観光対策などに特に意を用い、今後の青森県づくりの将来像としての「生活創造社会」実現に向けた取組みの着実な推進に努めたところであります。
 以上の基本的な考え方によりまして、年間総合予算として編成した平成18年度一般会計当初予算は、規模としては、7,221億円、平成17年度当初予算対比 180億円、2.4パーセントの減となりました。
 また、財政構造の観点からは、元金ベースでのプライマリーバランスの着実な改善、義務的経費の縮減、普通建設事業費における単独事業費から補助事業費へのシフトなど、改革の着実な前進が図られたものとなっております。

 続いて、お手元に配布してあります、資料2「平成18年度 青森県重点推進プロジェクトわくわくテン」に基づきまして、平成18年度における重点事業について御説明いたします。
 若干お時間をいただきます。

 わくわくテンについて御説明申し上げます。これまでもお示ししてきたものでございます。暮らしやすさではどこにも負けない青森県づくりを目指します生活推進創造プラン、このプランでは、御承知のように、目指すべき五つの社会像、「人財」、あくまでも当て字でございます。「産業・雇用」、「健康」、「環境」、「安全・安心」の五つの社会像を掲げ、これを実現するために平成20年度までにこの10本のプロジェクトを重点的に推進するということで、これまでも進めてきたわけでございます。
 平成18年度における重点事業の構築に当たっての基本的な考え方でございますが、喫緊の課題としてこれまでも力を傾注してきました、「産業・雇用」の分野につきましては引き続き最重要課題として取り組むこととしております。そして、どの分野にも共通することになるのですけれども、何をするにしても最も基本となるのは人材、やっぱり人であります。未来の青森県づくりの財産となる人づくりということに、新年度においては大きく意を用いるということでございます。
 平成18年度の大きな目標といたしまして、「元気青森人の創造」ということをスローガンに掲げ、「人財」と「産業・雇用」を最重点課題として捉え、10本の個別事業につきましても、最重要課題を踏まえたメリハリのある事業構築に努めたところであります。
 さらに、事業を検討するに当たりまして、3つの理念を掲げさせて頂きました。「協働」「連携」「交流」ということでございますが、地域が自らの智恵とアイデアで自立していかなければならない時代であります。地域の総合力を発揮していくためには、民と官との協働・連携、そして異業種間の連携・交流ということが重要であります。そしてまた、地域間の連携・交流ということも大切であります。
 そこで「協働」「連携」「交流」を事業構築に当たっての理念としております。また、考慮すべき時代変化として、人口減少の時代、団塊の世代の退職など、大きな「人殻変動」の時代を迎えていること、また、本県にとりましては、千載一遇のチャンスでもあり、ここはしっかりしなければ一つのきっかけを失うことになりますが、東北新幹線の全線開業ということが目前に迫っていること、さらには市町村合併の新たな枠組みでの地域づくりが求められていること、こうした課題に的確に、環境変化に対応していく必要があるわけでございます。この3つの理念と3つ環境変化を踏まえ、事業化を検討した結果、10本のプロジェクトを進めるために、306事業、事業費55億円、さらに市町村合併を踏まえた地域づくりを支援するための「市町村発元気なあおもりづくり支援事業」の2億円を一緒に計上しております。これらの事業を推進することによって、これらをすべて、ガチッと推進することによって、生活創造社会の実現、暮らしやすさのトップランナーをつくっていきたい、そのように考えています。

 それでは、始めにもっとも重点化を図っていかなければいけない「人財」、「産業・雇用」についてでございますが、まさに何度も繰り返しますが、未来の青森県の財産である「人づくり」をどのように進めていくかということになるわけであります。特に、地域の活性化と雇用の維持拡大という、我々青森県にとりまして非常に重要な課題に対応するために、元気青森産業人育成事業であるとか、ピカピカあきんど育成事業など高度専門的知識・技術を持つ人材、及び起業家、社長さんをいっぱいつくろうということなんですけれども、企業家精神、商売を興そうという気持ちに富んだ人材の育成ということ、あるいは、アントレプレナーツーリズム推進事業、あおもりツーリズム団塊ダッシュ事業など、県内からの人材の還流・誘致の受け皿づくりということ、そしてまたこれまでも進めてきましたが、あおもりツーリズム全般の推進など短中長期的な視点による人づくり、あるいは、産業・雇用に集中投資をする一方、こういったものを下支えをしていく次世代への教育をどのように整えていくかという仕組みの中から、小・中連携教育推進事業であるとか、学習サポート推進事業であるとか、ライフサポートチェーン事業、企業スピリッツ研修事業であるとか、様々に事業を張り巡らすことにしました。そして、確かな「学力」、「豊かな人間性」、「チャレンジする心」を育成し、「自立する人づくり」の基盤を整備していく、その方向性をお示ししたところであります。
 なお、「人づくり」につきましては、県庁内に「人づくり戦略チーム」というものを設置し、「元気青森人の創造に向けた総合的な戦略づくりと事業展開」をすることといたしております。

 次、私たちは「人殻変動」の話をずっとしてきたんですが、この「人殻変動」、極端にどういうことが起こってくるのか。国全体としても4つの側面がありますが、国全体としても人口の減少という流れが出てくる。地方圏における人口の急激な減少ということがある。また少子高齢化がさらに進展してくるという流れがあり、「2007年問題」の発生ということが出てくる。この「人殻変動」には4つの側面があるわけですけれども、我々はこれに堂々と対処していかなければならない、これがまたこの時代に課せられた私の仕事でもあると思っております。

 その他細かいところは、予算書で見ていただくとして、私どもが特に今年本格的にスタートさせるものとして、「医師確保対策」及び「2007年問題」につきましてお話を申し上げます。
 我々は「2007年問題」を危機ではなくむしろチャンスと捉え、事業を展開する、「団塊の世代対策」という形で考えています。大きなチャンスじゃないかということで、この2つについて若干御説明申し上げたいと思います。

 まず「医師確保対策」。メディアの皆様方はもうあちこちで聞いているでしょうし、たっぷり話もしてきましたし、それなりに聞いてくださっていると思いますが、事業そのものを集約体系化し、思い切った施策で医師の方々が、「確保」と書いてありますが私どもは医師の方々がこの青森県で医師として育って頂き、医師としての人生、医師としての職業キャリアをフォローアップしながら同時により良い人生を医師として送って頂ける、その仕組みを作らなければいけないと思っております。正月早々に「医師確保グランドデザイン」という話をしたわけでございますが、それに魂を入れるべく、平成18年度の重点事業として「医育機能充実事業」による効果的な事業というものを展開していきたいと思います。若手医師や医学生等にきちんとアピールし、青森県に呼び込む、あるいは残って頂くため、海外と連携した臨床教育事業や、あるいはプライマリ・ケアというものがどの医師にも重要になって参りますので、へき地における卒前教育モデル事業だとか、あるいは、県外の大学から手薄な分野、難病であるとかいろいろございます、手薄な分野の専門医師の受け入れを推進する医育サポーター派遣事業によって、本当の一流の分野の先生の診察の仕方であるとか、手術の仕方であるとか、そういった研修の機会を非常に高めていく施策を展開していきたいと思っております。
 また、医師確保には市町村等地域の取組みが欠かせないわけでございます。医師の方々とあちらこちらでいろんなお話をさせていただいたわけでございますが、とにかく一泊二日が続いている、たまらんという状況です。つまり医師の数が非常に減ったにもかかわらず、病院数に変動がなく、したがってそれぞれの病院で医師の方々の肉体的、あるいは家族ふくめて犠牲にしながら、あるいはさらなる技術を習得する、腕を上げる機会を失う中での診療の中、その中において開業する方、あるいはこの青森県を去っていく方々がやむを得ず出てきているという状況でございます。
 したがって、医師の方々に定着していただくためには、市町村長さんをはじめとした開設者の皆様、また住民の皆様方が、今医師の方々が置かれている状況をきっちりと理解していただくことが重要でございます。そしてまた地域の方々が、医師の方々を、共に育てていこうという仕組みづくりに変えていかなければ、我々は医師が去っていくマイナスのスパイラルから逃れることはできないと考えるのでございます。
 こういった観点から、市町村が行う優れた事業への助成をするアクティブ地域支援事業費補助、あるいは地域が主体的に医療を知り、取り組んでいくことを促進する地域医療問題啓発事業等の実施により、市町村、そして地域住民の方々と一緒に最重要課題であります医師の方々が青森県で医療を行うという仕組みづくりに努めて参りたいと思います。
 このように、医師確保のグランドデザインの事業による具体化、市町村等地域の主体的な取組みの支援等を推進し、医師の方々がこの青森に定着してくださる仕組みと、医療の質そのものの向上というもの、そのことがまた中核病院づくりにも繋がるわけですが、そういったことをしっかりとしっかりと進めていきたいと考えております。

 次に、団塊の世代につきましての対策をお話申し上げます。1947年から49年に生まれました、いわゆる団塊の世代は、全国で約700万人、県内で約7万6千人と言われております。
 2007年前後に大量に、いわゆる退職の時期を迎えるわけであります。この延長としては、「技術力及び労働生産性の低下」ということが懸念されるわけでございますが、むしろ私たちは逆に、こういったOBの方々を活用した元気青森産業人育成事業という仕組みであるとか、あるいは起業家等の人材の本県への呼び込みを推進しますアントレプレナーツーリズム、あるいは2007年問題に対応した融資制度の拡充といったことを推進したいと考えます。
 また、おわかりのとおり社会保障制度が保たれているわけでございまして、退職金、年金といわれるゆとりある資金と、そして時間でございます。この時間を持つ団塊の世代の受け入れを促進するために、堺屋太一さんとかパソナさんとかと、この前共同で発表させていただきましたが、あおもりツーリズム団塊ダッシュ事業、あるいはあおもりJOMON発信事業、攻めのエアポートセールス戦略プログラム事業等、だいぶ端折らせていただきますけれども、そういった事業等により情報発信、受け入れのための体制づくりを進めて参ります。達者村で進めていたものが、この方向に繋がってくるということもあるわけでございますが、さまざまな形で我々は団塊の方々に対応していきたいと考えます。
 一方、県内における大量の退職者へ対応するために、働き盛りセーフティネット事業等の事業を実施していきたいと考えております。なお、我々は金の卵として、集団就職とか、列車で送り出した方々とか、本県出身の方々もたくさんおります。こういった方々の本県への還流の思いと言いましょうか。堺屋さんの言葉ですが「金の卵を銀の鶏として青森に迎える」、失礼な言い方かもしれませんが、金の卵を銀の鶏として迎える仕組み、もう一度ふるさと青森で、あるいはふるさと青森に関係して、次の人生またやってみませんかと提案することは、いわゆる重要な課題なのではないか、そう考えております。
 総合的な対策として、団塊世代対策推進事業というものを推進させていただきます。これらの事業を通じまして団塊の世代の方々が、経験、知識、技術を活かし、自主自立の青森県づくりへ参画していただく仕組みづくりということも進めたいと思っております。

 続いて、新幹線関連のことでお話しを申し上げたいと思っております。
 2010年東北新幹線新青森駅開業につきまして、私どもは、すでに開業しております八戸ともども開業効果というものを最大限に獲得するためには、開業前の今からその方策に取り組む必要があると考えております。新幹線の開業によりまして、首都圏からの移動時間の短縮、要するに3時間を切るわけでございますが、安定した大量輸送、乗り換えなしで青森県の中央、青森市まで来ることができる利便性の向上等の効果が期待されることから、地域づくりの活性化に最も重要な交流人口、確かに定住人口が減っている状況にあるわけですが、交流人口を増やすことができれば、それに比する、倍する、効果を挙げることができるわけでございまして、交流人口の拡大ということを仕掛けていくために、様々な施策を打っていきたいと思っております。あったか青森・温泉活性化対策事業であるとか、産業観光推進事業であるとか、あるいは、ふるさとの川さけフィッシング導入モデル事業そういう事業によるヒトの流入促進や、受け入れ体制の整備をきちんと推進するとともに、これまでの事業をさらに改編しましてまるごと青森編集発信事業、これまでもまるごと発信事業をやっておりますが、それをさらにグレードアップするつもりでございます。また、あおもりJOMON発信事業等、様々に情報発信ということを、そして美術館もそうでございますが、新たな青森の情報発信していく仕組みを作りたいと思います。
 また、庁内には「新幹線交流推進課」を設置し、より総合的・戦略的に取り組む体制を整備しますと共に、新幹線効果活用プロモーション協議会、及び沿線市町村等地域との連携協働を図りながら、東北新幹線開業効果を最大限に活用し地域経済の活性化に結びつくような取組を進めたいと考えています。

 続いて、「市町村発・元気あおもりづくり事業」につきましてのお話しを申し上げたいと思います。現在、本県においても市町村合併が進んでおりますが、そうした状況下、県としても県と市町村が自主自立を前提とし「元気青森人の創造」を推進するため新たな施策を提案することといたしました。これまでも発表しているわけでございますが、まず「地域づくりの人材の育成」、「地域産業の振興 雇用の創出」あるいは「地域振興における課題解決」ということを目標といたしまして新たな補助制度、「市町村発・元気なあおもりづくり支援事業」を創設し2億円の枠を予算計上いたしております。また、市町村合併における行政基盤の整備や行政運営の円滑化を支援するため市町村の意向・実情に配慮しました県職員の派遣制度を創設いたしました。そして市町村と共に地域づくりを進めていく体制を構築するため、まず試行的ではございますが、弘前地域・八戸地域・下北地域の3カ所に地域県民局というものを創設し、各地域が抱える課題について地域住民・市町村・地域県民局から構成されます地域活性化協議会において解決策を検討するなど、この試行期間において、いろんな仕組みづくりにチャレンジします。県と地域との連携協働を一生懸命進めたいと思っております。

 ところで、元気あおもりづくりの推進についてですが、支援事業のお話しをしましたところ、市町村から非常に積極的な意見交換、予算や要綱が決定する前にアイデアが出てきています。アイデアを募るという手段なのですが、これまで市町村と積極的に意見交換がなされまして、県内殆どの市町村から相談をいただいております。たとえばですが、本のまちづくり事業であるとか、マリンキッズ活動推進事業であるとか、あるいは協働まちづくり支援事業であるとか、様々に各市町村が工夫した事業が寄せられております。非常に創意工夫というものが感じられますし、地域づくり、人づくりを目的とした市町村の工夫を感じた次第でございます。この事業、市町村発元気なあおもりづくり支援事業を通しまして、市町村が真に自主的自立的な地域を確立して青森県と共に元気なあおもりづくりを進めて頂ければと思う次第でございます。

 以上、平成18年度は「元気青森人の創造」ということをスローガンに人財、産業・雇用に集中投資をしつつ、人殻変動等3つの環境変化に十分配慮して、この青森県重点推進プロジェクト、わくわくテンを進めていきたいと考えている次第でございます。
以上でございます。

○幹事社
 では、幹事社からひとつお伺いします。今回の予算編成は、財政改革プランと行政改革大綱と、中期財政指針、3つがそろった予算編成になったわけですけれども、改めて3つのプランに基づいてこんな事に気を付けたとか、ふりかえってのご感想をお聞かせください。

○知事
 ご存知のとおり財政環境というものが例の12パーセント以来厳しくなっている状況、しかも三位一体改革の中で、こういっては何なのですけれども、地方に国の負担を、押しつけたとは言いませんけれど、振り替えたという、国保とかいろいろあったわけですね。しかしながらですね、しかしながら、我々としては常に前に向かっていこうという思いがあるわけでございまして、この財政改革プランであるにしても、行政改革大綱にしても、取組方策の徹底加速ということに努めさせて頂きました。財政の点で言えば、もう悲願というか、必ず実行しなければならないのですが、元利ベースは3年間連続プラスにもってこれたわけです。元金ベースでの、いよいよ元金ベースでのプライマリーバランスの着実な改善ということを念頭に置きました。また、財源不足額の、財政改革プランとの乖離幅の縮小ということを図ったほか義務的経費の縮減であるとか、普通建設事業費における単独事業費から補助事業費へのシフトなど財政構造の改革の部分、着実な推進をみることができたと思っております。
 ただ今お示しもしたのですが、さらにまた、これまで以上に施策の選択と重点化ということを徹底したわけでございます。限られた財源をわくわくテン事業に重点的に振り分けたわけですが、中でも人財の育成、人づくりという部分及び産業・雇用に対する各種施策のほか、市町村の地域づくりへの支援の方法、あるいは医師の方々が青森県に定着してくださるための対策、あるいは今後大きな課題となる団塊の世代の方々をターゲットにした施策であるとか、交流人口という観点から、新幹線を含めてですが、立体的な部分もございます。空港も含めてでございますけれども、要するに、新幹線観光対策といっているのですけれども、いわゆる交流人口をどのように増やしていくかの施策に向ける仕組みとか、そういったことに意を用いたという思いがございます。
 どちらにしても、さらに、改革前進予算という思いで組んだという形、またそういうのにふさわしい姿であると考えております。
 
○記者
 ありがとうございました。プライマリーバランスが29億円の赤字で、言い方を変えれば30億円ですね、県債発行を抑制できているのは、黒字化、実はよくやってるな、2006年度に達成できたということがあったと思うんですけれども、一応計画では2008年度でプライマリーバランスを黒字化するということなのですが、このペースで行くと、歳入環境が変わらなければ、07年度には黒字化になるんじゃないかなと思うんですが、そのあたりの知事のお考えをお聞かせください。

○知事
 歳入環境ということについては、国の動きと、なにぶん竹中総務大臣、谷垣財務大臣というシフトでございますから、非常に、突然12パーセントということがあったわけですよね。そういった流れもかつてあったわけでございますから、しかもその約束であった12パーセント減のほうの総額確保は今年までですね、ということと、今後とも厳しい状況、不透明な状況が続いているということ、そこは考えなければならないと思っております。
 しかし、大きな目標として元利ベースを成し遂げていくということは、その年度その年度、次世代に借金を渡さないということですけれども、やはり県債残高を減らして行くためには、元金ベースのプライマリーバランスの黒字化ということが重要であるわけでして、それはもう大きな到達したい目標であるということに変わりはないと思います。ただ非常に、今後どのように進んでいくか、というか、私どもにとりまして命綱であるところの財政を調整する仕組みである交付税、これは非常に注視、というかみっちり見張って、見ていかなければならないと思います。

○記者
 先に聞くべきだったんですけれども、いつも聞いているのですけれども、今回の予算の自己採点をお聞かせください。

○知事
 自己採点って、最初に言ったとおり。まあ、改革前進予算ということで、各部局とも非常によく選択と集中ということに、さらに、やった、というところで。点数云々というのは、この状況の中において、どこを何点として、どこを何点ということは難しい問題じゃないかと思います。

○記者
 去年は確か、75点ということで新聞には書いていたのですけれども。

○知事
 職員の皆さんがよくやってくれて、自分の分が、努力できなかった分が、ということだったけど、今年はね、みんなで努力したね。

○記者
 各県との状況比較を質問したいのですが、元金ベースのプライマリーバランスということで、岩手か山形が財政状況は違うとはいえ、本年度で元金ベースで黒字化を達成したと。やっぱり青森県の場合は県の話題が突出している新幹線という特殊要因を抱えていることもあると思うのですけれども、財革プランの中で普通建設事業費を7割に維持しているというのも、一つの指針になっているわけですね。逆に、さらにそれを切り込むと、財政状況が好転するのではないかなと思うのですが、知事のお考えはいかがでしょうか。

○知事
大きな観点からの経営の感覚というのかな。経済を失速させてまで切り込んで、100か70かとなるわけ。だから、なかなかこれはどの仕事においても厳しいものだと思います。したがって、経済を失速させるということは最も愚なわけで、このギリギリのバランスをどう保つかということが我々は重要だと思っています。だからこそ、公債費は今後とも増えていくわけだし、その中において、だからこそ、単独事業を補助事業に切り替える幅も大きく成功したわけだし、自分の出費を少なくしながら、工夫をしながら、事業は維持するというところで、さらに努力しなければいけないと思っていますね。単独事業をここまで減らす仕組みをつくれたということは、担当部局、県土整備部にしても、農林水産部にしても、また出先もそうなんだけど、各職員がこういう事業はこういう事業に切り替えることができます、県単独じゃなくて、補助事業でこういうのがありますということ等創意工夫し、また、よく足を使ってくれた。自分も歩きましたけれども、そういったことがあり、何とかここまで来られたということは成果ではあるんだけどね。

○記者
 中期財政指針の中で、もともとは2008年度に達成するとしていた収支均衡を2010年代半ばに先送りしたわけですけれども、基金があと2年くらいで底をつく状況に変わりはないわけで、やはり基金に手を付けないでもやっていける収支均衡をなるべく早く達成しないと、大変な状況だと思いますけれども、今後新年度については、着実に改革はしているということで、明確にして、それに向かって収支均衡を目指すというお考えはお持ちでしょうか。

○知事
 もとからの目標は例の12パーセント、極端に突然ということで、ああいう中期指針という形になったのですけれども、最初にお話したとおり、なんと言っても収入の環境、交付税環境の見通しがあやふやの中で言い切ることは非常に難しいと思っていますが、それでもご存知のとおり年々着々と元利ベースの黒字を増やしながら、元金ベースに向かってひた走ってきた。したがって、今後とも我々が進めている経済を失速させない仕組みづくりを一生懸命やりながら、なおかつ黒字基調を保ちながら産業を興すことによって税収を伸ばすという仕組みづくりを行いながら、改革を徹底・加速していく方向で行かざるを得ない。そういうところですね。

○記者
 三位一体改革なのですが、2006年度が3カ年の最終年度ということで、この3年間を振り返ってどうかお聞きしたいのですが。

○知事
 期待はしていましたし、どちらにしても地方分権が進むということの意義はあるわけですけれども、内容的には我々地方が求めていたものと大きくかけ離れた、不満が残らざるを得ないものとなったと思っています。具体的には、国庫負担率の引き下げとか、地方の自由度、裁量権が高まらない。単なる地方への負担の付け替え、具体例をいうと、国保とか児童手当の部分、義教の負担率引き下げとか、そういったものが大宗を占め、地方交付税がある日突然あんなにドカンと予期せざる中で、本県財政においては実質的な地方負担の増加につながっているといったマイナスの影響が大きいものと評価せざるを得ない内容ではあります。
 あの12パーセント、今ちょっと計算すると380億円の削減幅になっているわけで、よくその380億部分を何とかやりくりしながら、今日ここまでもってきたなというのはありますよね。率直な思いとすれば。しかしながら、地方全体が元気を取り戻して、分権型社会を構築していく、やはり権限、財源といったもの、またいろんな意味でノウハウを持った人たちを含めてですけれども、そういったことが地方にあることによって、地方が元気になって日本が元気になるんだという思いが、自分自身には、この世界に入ってからずっとあるわけでして、我々とすれば、したがって、これまでの改革内容が、地方分権や地方財政の自立につながっていくかどうか統括して、今後の議論につなげなきゃいけないと、そういう思いがあります。率直な思いを言わさせて頂きました。

○記者
 人件費についてお伺いしたいのですが、策定した新たな指針で、人件費縮小のために義務的経費の改革をさらに進めるという趣旨の発言をされていますが、今回みると退職者手当の増加などがあったりして、他の投資的経費と比べて0.6パーセント減というのはかなり抑えられたと感じるんですが、この辺の、もう手を付けてしまっているものについては、もうこれ以上削減しようがないというところなのか、あるいはさらに年度途中でも、大きくしていく考えがあるものだと、北海道、岩手なりかなり大幅な人員削減を含めて、されていますけど、その辺も含めてお考えをお伺いしたいのですが。

○知事
 この分野については、行革を含めて相当な改革路線を既に早い時期からとってきたという思いがありますよね。それと我々とすれば、いわゆる総務事務センターをつくるだとか、人件費じゃないけれども、固定経費にかかっている暖房費一つ取ってみても、熱源一つとってみても、省エネプラスコスト削減とか、様々に出してくるアイデア等を用いながら、総体としての一般管理費を下げていく工夫を続けてきたわけで、そういった工夫等さらに努力していかなければいけないと思っております。総務部長、何か補うことがあれば。

○総務部長
 おっしゃるように人件費がこれだけになっている要因の一つは、定数削減ということについて取組みを進めているということと、あと特例減額をやっているという事情もありまして、このようになっているものであります。御主旨は、特例減額の扱いをさらに切り込むのかということであったのかと思うのですが、特例減額については御案内のとおり財政改革プランでここ5年間という全体のパッケージを示すなかで、いわば異例の取組みとして職員にお願いをしているという認識に立っていますので、これは5年間のプランで重いものだと思いつつ、真摯に取り組んでいきたいと思います。

○記者
 農林総合研究センターについて7億円あまりが計上されましたが、今後の整備計画についてお話しください。

○知事
 管理費を二重に支出するのをやっていくというのは非常に無駄なので、このあたりできちっとして、今品種とかいろんなことが研究体制に入っているでしょう。そういったことを強化していく方が総合的に得だということでやっているのだけれど。部長から何かあれば。

○農林水産部長
 新センターと付帯施設との施設整備、水稲の新品種の育成、試験ほ場整備があります。新センターを効率的に活用するためのものです。

○記者
 19年度の供用開始ということでよろしいでしょうか。

○知事
 間に合うと思います。

○記者
 財革の中でこの施設については、確か延期、可能な限り延伸するというような位置づけであったと思うのですが、今回これを事業化するということについても理由をお知らせください。

○知事
 それぞれ言ったとおり、二重経費、経費倒れと言うことは一番ばかなことでしょう。なおかつもう整備されているわけだから、実際の品種更新の部分とか、ほ場を使っての植え付け方法の研究開発とか、やるべきことをやったほうが、トータルとして良いわけだし、農林水産部の自ら切りつめたものできちっとしたいということで、よく対応したということだね。大事だよ。

○記者
 確認ですけれども、いわゆる財革プラン上、凍結とか延期とかいう施設があったと思うんですけれども、実際に解除するのはこれが初めてのケースになりますか。

○総務部長
 これは見直しをしているという大規模施設というものに当たってはおりません。実際これは、知事からご説明がありましたとおり、事業規模と農林水産部の計上規模を含めて大幅に見直しをしたというなかで、引き続きこれについては整備を行おうというもので、18年度末に移転をして、19年度に全面供用開始となっております。

○知事
 トータルコストと思ってください。

○記者
 県債残高なのですが、2006年度末で1兆2,764億円ですか、どんどん伸びていっていまして、その額についての感想を。

○知事
 これからまた、公債費については伸びるわけで、しかして、そういう状態であっても、地域資源を最大に活かすという気持ちでやってきたわけだから、そういうものがあればあったで、励みとして、さらに頑張ろうということだな。

○記者
 気の遠くなるような額だと思うのですが。

○知事
 例えば商売をやって、赤字基調になって、苦しくなってくる場合にどうするかといえば、きちっと見つめ直して、まず単年度、今で言えば元利ベースをきちっとする、さらに負債を増えないように抑える、なおかつ事業をいろいろ見直して伸ばせるところは伸ばす、今は商売の話ですけれども、そういう形で保つための工夫をするわけで、似たようなものであるけれど、したがって我々も工夫しているのですから、財政の再建を進めながら、非常に矛盾した話になりますけれど、産業・雇用、福祉というところにそれぞれとっかかっているわけです。単年度をプラスにしておきながら、産業・雇用を伸ばすことによっての、あがってくる税収、それから経済ですから、一回まわるんじゃなくて、どうやって一つの金が二回まわるか三回まわるかの仕組みづくりをやっているわけです。我々にとっては経済が回ることが、我が方の収入としてプラスになるわけで、そういった工夫等をしながら、一つの金を一回回すのじゃなくて、三回も四回もまわす工夫等も続けながら、なおかつ単年度の部分を黒字基調にすることによって、これ以上増やさないということですね。ただ、公債費ですから、まだ増えます。それはしょうがないわけで、それも折り込みながら、元金黒字化を達成していきたい。そういうところで、さあ、交付税攻防戦ということになるんだけどね。
 いや本当に、努力努力努力の毎日でありましてね。さっきもお話しましたが、県単と公共との切り替え等を含めて、職員各位、今回は本当に粘ったね。このことは繰り返しになるけれども、この機会にも申し述べておきたい。

○記者
 核燃料税のことをお伺いしたいのですが、9月で今の条例が失効するということで、計上されている額は29パーセント減なんですけれども、これは更新されると思うんですけれども、今の段階で条例改正についてどのようにお考えなのかお伺いしたい。


○知事
 きちんと対応しなくてはいけないことだと思っておりますし、事務的には考えるように指示はしています。

○記者
 引き続き徴収をしたいというお考えでしょうか。

○知事
 税の範疇でありまして、これはきちんと対応してもらうべきものと考えております。

○記者
 今の県税収入に占める核燃料税の割合が大体1割程度となっておりますけれども、東通原発が運転開始したということで、かなり地元のほうも、法人税も、法人事業税も、がっぽり入ってきたと聞いておりますが、これからむつの中間貯蔵など、様々な原子力施設が本格稼働していく中で、当然税収も増えていくと。そういうことは、言葉を換えればやはり核燃に対する県の依存度というのも高まっているのではないかなと思うのですけれども、その当たりのご認識をお願いします。

○知事
 すこぶる、たらればの話で、まだ判断等もうたっていない段階でのお話しは、できないものだと思っていますが、産業を興すということを含めて、今いろんなことをやっているのですけれども、例の東大グループとやってるのもそうなのですけれども、実際攻めの農林水産業からスタートしたわけですけれども、持っている地域資源、静脈産業も含め、津軽地域の最先端産業も含め、あるいはユビキタスひとつとってもそうだけれども、この青森に基礎的なものづくり産業というものをこつこつと蓄えていく。それをまずコラボレーションしていく。だからこそ消費者と連携したり、金融機関と連携したりとかそういう仕組みづくりをやったり、技術のフォーラムをやったりとか進めているわけですけれども、様々な分野において青森県の持っている能力を最大限に活かす仕組みをする、またそれに新たなもの、合弁で引き込むとか、そういった工夫を通じてこつこつと経済、税収というものをあげていくというのが、自分自身の大きな基本方針として示している予算でもあり、日頃の行動だと思って頂ければありがたいです。

○記者
 廃止事業が増えている中で、新規事業が60億円から80億円に拡大しているのは、例えば事業の継続性からみていかがなものかというような趣旨の発言があったと思うのですが、これについて改めて、新規事業を増やした点と、廃止を含めてどのように苦労されたのかという点をお伺いしたいと思います。

○知事
 選択し集中したということだけれども、廃止と言うけれども、一応それぞれ年限が決められていたものが順次切り替わる時期、自分にとっても2年やって、ある程度したら、次、次、という形でやってきたわけですから、特にどうこうということはないのだけれども。むしろ全体としたら集中したという感じだな。

○記者
 改革前進予算というネーミング、先ほどありましたけれども。

○知事
 まあ、たとえて言えばです。

○記者
 事業の面でみて、事業面から予算を名付けるならば、知事はどう名付けますか。

○知事
 事業面から名付ければ。まあ全体としては改革前進だ。事業の方向からみた場合、選択と集中だけれど、まあ、元気青森創造予算。ちょっと言い過ぎた。元気青森の創造とまではいかないな。元気青森再生に向けての第一歩。長いな、ちょっと。

○記者
 短く。

○知事
 元気青森創造予算。まだ長いかな。

○幹事社
 それではよろしいでしょうか。


−以上−

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