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あおもりライフ-移住・交流総合サイト-

更新日:2009年4月1日 企画調整課

あおもりライフの実践事例集
あおもりライフホーム >> あおもりライフの実践事例集 >> 事例10:乗馬インストラクター 小野雪絵
すべては一枚の写真から。追い求めてここへたどりついた。
小野氏写真
十和田乗馬倶楽部 小野 雪絵
1978年(昭和53年)生まれ。大阪府熊取町出身。10歳から乗馬を始め、高校時代までを大阪で過ごす。大学進学をきっかけに青森へ。卒業後も青森に留まり、現在は十和田乗馬倶楽部にて乗馬インストラクターとして勤務。

寒立馬のいる青森に行きたい!

十和田乗馬倶楽部
 生まれも育ちも大阪。子どもの頃から馬が好きだった。動物園へいっても、ゾウでもウサギでもなく、ポニーの柵の前から離れようとしなかった。そんなに馬が好きならと両親が乗馬クラブに通わせてくれた。10歳の目線で見るサラブレッドは大きかった。馬の背は意外に揺れるので怖いし、何度も落馬して痛い思いもした。人間の恐怖心は馬に伝わる。だけどそれを克服することで馬は最高のパートナーになってくれるのだ。しっかり操れるようになった頃、小野さんは家畜について学べる農芸高校に進学していた。
 乗馬を通して成長してきた小野さんが青森へやってくるきっかけとなったのが、獣医畜産学部のある北里大学への入学だった。全国的に畜産を学べる大学は少ない。その中でも青森を選んだ理由は、子どもの頃に見た寒立馬(かんだちめ)の写真。雪深い冬の大地に力強く立つその馬が、幼い小野さんの心を惹きつけた。こんな生き物がいる青森に行ってみたい。もともと馬が好きだった小野さんに迷いはなかった。
 大学に入ってからは畜産学科で牛、馬、羊に豚に鶏といった家畜に関する様々なことを学んだ。家畜動物をいかに健康に、長く飼育するかを研究した。
 休日には、友人たちと青森の自然を見に十和田湖や奥入瀬渓流に出かけたりして趣味の写真を楽しんでいる。なかでもやはり一番のお気に入りは寒立馬のいる尻屋崎。
 十和田乗馬倶楽部で働きだして6年、青森で馬との暮らしを満喫している。

好きだけでは務まらない、だけど馬で食べていくと決めた。

乗馬の様子
 私自身、元々は乗馬クラブの一会員に過ぎなかった。その頃だっていいことばかりではなかった。馬に落とされ、踏まれ、かじられもした。だけどコミュニケーションがとれたときにはちゃんと人間を理解してくれる。本質にある優しさが見えてくる。憎たらしいときもあるけど、どこか憎めない。それが馬の魅力。
 人が好きな馬もいれば、ちっとも寄ってこないのもいる。そういう馬とは一歩ずつ近づいていくしかない。時間はかかるけど、そうやって築いた信頼関係が崩れにくいことを私は知っている。人間と一緒、同じ性格の馬はいないんだ。
 乗馬でなくても、馬と関わることができる仕事は他にもあるじゃないかと言われることもある。もちろん競走馬を相手にすれば馬ばかり見ていられる。だけどそうなると乗馬の人口が増えないと思った。馬がこんなにも素敵な生き物で、しかも乗ることができる。そんな魅力を一番簡単に人に伝えられるのが乗馬だと思っている。
 畜産学科の基本理念では、いかに家畜の健康を保ち長生きさせるかが大切。乗馬クラブでも、馬という家畜を飼っていることになるのだから、それをいかに故障させずに長生きするように飼育するかが重要。餌や運動、あとは大学で学んだ病気に対する治療法も役に立っている。この馬はちょっと痩せてきたけど何が原因なんだろう、餌の量を増やしてもダメだ、じゃあ寄生虫がいるんじゃないかな、薬を投与しなくてはとか。そういった知識は必要になってくる。獣医さんを呼ぶ前までの処置は自分達でできないと。かわいがる気持ちだけでは立ち行かないこともある。
桜流鏑馬の様子
 以前、東京へ引っ越したクラブ会員さんが、休日を利用して乗馬をしに来たことがあった。疲れきった顔でやってきたその人は、2時間の乗馬の後にはまるで別人のように輝く表情をしていた。今、老人ホームや心身に障害のある人たちを中心に、犬や猫に触れて心を癒す、アニマルセラピーが注目されてきている。私は馬にも人を癒す力があると信じている。うちのクラブでもやっている障害者乗馬、普段車椅子に乗っている方でも、馬と一緒なら田んぼのあぜ道でも歩けてしまう。石ころだらけの道も馬は平気で歩いてくれる。犬や猫とはまた違って、馬は直接人の役に立つ動物、一人でも多くの人に馬の魅力を伝えたい。それが今の私の目標だ。
 うちの乗馬クラブのオーナーは、自分の力で何でもできるようにとスタッフを指導している。お客さんを開拓することもそのひとつ。私は地域の小学校などを回って乗馬の楽しさを子ども達に伝えている。小柄な私は、ともすると乗馬には不利に見える。だけど子ども達にとっては、小さくてもできるのだという説得力となり、勇気に変わる。大人が理屈を学んで乗馬を始めるよりも、感覚で学んでいく子どものほうが、より自由に馬との関係を築ける。そうして次の世代へと伝わっていくことも、インストラクターの役割だと思う。
 オーナーの意向のように自分自身で何でもできるようになったら、いつか自分の乗馬クラブを持ちたい。これからもっとスキルアップして、自分でお客さんも連れてこられるようになって。そうしたら乗馬人口もきっと増える。
 夏には、都会からの実習体験希望者でクラブ内はいっぱい。若い人が多いけど、中には定年を迎えた年代の夫婦もいる。滞在費はほとんどとらない。その代わりに牧場の仕事を手伝ってもらう。年配の方には重労働だろうと思いきや、意外に楽しそうに作業していた。「ありがとう、来年もまた来るね」と言ってもらったときには、こっちがありがとうと言いたい気持ちになった。

あおもりライフ先輩としてのアドバイス
言葉には苦労しましたよ。お年を召した方と話すときは外国語に聞こえたりしました。うちのスタッフでも地元出身の人が、焼き鳥指差して私にケ(食べなさい)って言うんですよ。最初はなにを言ってるのかわからなくて困惑しました。冬は雪が多いので大変です。車のバッテリーが上がりやすいとか。でも雪かきしなきゃいけないから、無理やりでも運動することになるので健康にはいいかも。あ、以前車が雪にはまって立ち往生したことがあったんですが、通りがかったおじさんが助けてくださって。それから近所の方が大根とかくれたりしますよ。青森は人があったかいから住みやすいです。

お問い合わせ

青森県企画政策部
企画調整課生業(なりわい)・地域活性化グループ
電話:017-734-9174  FAX:017-734-8027
    017-734-9128
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