ホーム > 組織でさがす > 環境生活部 > 青少年・男女共同参画課 > 青森県女性ロールモデル 白井壽美枝さん

関連分野

更新日付:2017年5月24日 青少年・男女共同参画課

青森県女性ロールモデル 白井壽美枝さん

人を信頼できる力を培い、そういう人に出会いましょう。
そうすれば、力強い仲間が増えていきます。

白井壽美枝さん
特定非営利活動法人あおもり男女共同参画をすすめる会 顧問
白井 壽美枝さん(青森市)

【プロフィール】
 青森市の男女共同参画情報紙の編集アドバイザーを務め、青森市の男女共同参画都市宣言に協力した。また、青森市や県の各種審議会委員、青森市男女共同参画プラザ館長等を歴任し、本県の男女共同参画推進に大きく尽力してきた。
 その他の活動としては、乳がんの早期発見や検診の重要性を伝える「ピンクリボン運動」に早くから取り組んだ他、絵本の読みきかせ等を主な活動とする「BOOK ROOM紬~つむぎ~」を仲間たちと立ち上げる等、幅広い活動を積極的・継続的に展開し続けている。
 平成27年度青森県いきいき男女共同参画社会づくり表彰「功労賞」、平成28年度青森市表彰受賞。

白井壽美枝さんの主な分野 「NPO・ボランティア」「専門職・研究職」「子育て・介護」

チャレンジのきっかけは?

女性情報紙、ピンクリボン活動との出会い

 夫の転勤をきっかけに来青したばかりの頃、「青森市女性情報紙(現男女共同参画情報紙「アンジュール」)編集者」の募集を見つけ、出版社での勤務経験を活かせると感じ、応募してみたのです。そして合格、編集アドバイザーに就任しました。その活動のつながりで青森市男女共同参画都市宣言実行委員として活動を開始する等、男女共同参画の推進に大きく関わるようになっていきました。

 また、女性の健康が女性自身によっても重要視されていないと気づいたことがきっかけとなり、「ピンクリボン」の普及活動も開始しました。現在は、乳がんの知識について、広く世間に浸透してきていますが、当時は「女性特有の病気だから」という理由で、命にかかわることなのに、恥ずかしいという気持ちから検診を受けたがらない、病気について知られたくない女性がたくさんいたのです。「命」と「恥ずかしさ」が天秤にかけられてしまっている、そんな状況でした。

これまでのみちのり

「男女共同参画推進」に全力で取り組むように

 「アンジュール」から始まった私の様々な男女共同参画推進の活動は、青森市男女共同参画都市宣言記念モニュメント設置実行委員、ベアテ・シロタ・ゴードンさんのお話を聞く会の開催、いくつかの団体の立上げ・運営、講演・執筆活動、日本女性会議2002あおもり実行委員長……と雪だるま式に膨らみ広がっていきました。市、県の審議会等の委員も次々にやらせていただき、そこでも人とのつながりができ、視野が広がっていきました。

 日本女性会議を終えた翌年から、青森市男女共同参画プラザ「カダール」の館長に就任し、平成19年度に指定管理者として関わるようになってからは、施設をつなぎ、より活性化を図る目的で「カダール」と青森市働く女性の家「アコール」の館長を兼任しました。

 また、小規模な任意団体「企画集団プティジュール」の活動も20年近く続けています。企画集団プティジュールは、アンジュールの当時の編集メンバーに私が声をかけ、設立した団体です。アンジュールの編集委員としての任期が終わっても、これからも男女共同参画について学び、情報発信を皆で続けていきたいという思いで立ち上げたものです。

自分を高める努力も忘れずに

 こうした活動を効果的に展開するにあたっては、インプットとアウトプットによる自己研鑽は非常に重要で、それらを意識し実践してきました。

 インプットには、国立女性教育会館や日本女性学習財団の講座の私費受講、県の女性海外派遣(ノルウェー・デンマーク)、あおもり男女共同参画をすすめる会として取り組んだニューヨーク視察旅行(国連女性の地位委員会、全米女性協会等)や中国・大連大学ジェンダー研究センター訪問のほか、多くのフォーラムや講座への参加が役立ちました。時間をかけて取り組んだ調査研究も力を与えてくれました。

 同時に、アウトプットも積極的にしてきました。インとアウトの双方で、力がついていくものと実感しています。

周囲の理解・協力が得られるようになってきた「ピンクリボン活動」

 ピンクリボン活動はねぶたでのキャンペーンやアスパムのピンクライトアップ、その他種々の啓発事業を重ね、企業や団体の協力も得られるようになりました。普及啓発のため、当初は私1人で手作りのピンクリボンを作成・配布していましたが、あおもり男女共同参画をすすめる会としてピンクリボン活動に取り組むようになっていきました。また、個人的にはピンクリボンアドバイザーの資格を得ています。

ねぶた祭でのピンクリボンキャンペーン

現在の活動状況や今後の目標など

諦めずに一歩ずつ、前へ

 日本女性会議2002あおもりが開催された頃、参画を「さんが」と読む人も多く、「男女共同参画」の言葉もまだまだ一部の人のものでしかありませんでした。ピンクリボン活動を始めた2003年頃は、乳がんであることを家族にも言えない女性、好奇心で見る男性に心痛みましたが、今ではひとつの病気として捉えられるようになったと思えます。

 確かに男女共同参画の歩みは遅く、乳がん検診率も上がっていません。しかし、それでも20年前、10年前とは違っています。

 時には挫折しそうになりますが、やはり、継続は力です。続けていくのには、共に歩む仲間を大切にすること、壁をつくらないこと、分野を超えて手をつなぐ努力をすることが重要と思います。多様性を認め、お互いに尊重し合うことが今後の社会に浸透していくことを望んで、これからも活動を続けます。

新たな団体の設立にもチャレンジ!

 一方、思っていること・考えていることを適切に言葉にできる力、想像する力が、人生を豊かにし、柔らかで温かい社会を作るのではないかと、年齢を重ねて強く思うようになりました。
 
 そこで、仲間の誘いを受け、本とおはなしの部屋「BOOK ROOM紬~つむぎ~」をオープンさせました。0歳から1歳の赤ちゃんとお母さんが主力なお客様ですが、小学生も来ますし、リピーターもたくさんいらっしゃいます。また、軽やかに実行する活動のために、新たな小ぶりの団体を立ち上げている最中です。ゆくゆくはNPO法人化し、地域に貢献する予定です。

ブックルーム紬(つむぎ)

これからチャレンジする女性へのメッセージ

一人よりも、理解し合える仲間とともに

 やろうと思えば、一人から始められます。しかし、一人の力はやはり小さいのです。理解し合える仲間を二人は見つけましょう。そして、心弾ませながら、わくわくしてやっていきましょう。人を信頼できる力を培い、そういう人に出会いましょう。そうすれば、力強い仲間が増えていきます。

 「できない」「私なんか」ではなく、「どうしたらできるかな」「私のできることは何だろう?」と考えることが大切です。そして、自分ができないことをできる人を大事にしてください。

 仕事に関しては、「平」よりも、「決定権がある立場」のほうが、自分の意思を実現できます。恐れないで、そのポストを手に入れてください。力を得ると、人・手段ともに拡大します。そうしたら、それを自分のためにではなく、後輩の育成や支援、自分が目指すより良い社会の構築のために使って欲しいと思います。そのときのあなたは、力を持っているのですから。

 そして、知識の学習、人間性の鍛錬は、ポストを手に入れた後こそますます必要になることも忘れないでください。笑顔と人間的魅力は専門的な力量とともに、おそらくとても大きな鍵となります。

「一人よりも理解し合える仲間とともに」と語る白井壽美枝さん

平成29年(2017)年1月取材

青森県女性ロールモデル事例紹介に戻る

関連ページ

この記事についてのお問い合わせ

青少年・男女共同参画課 男女共同参画グループ
電話:017-734-9228  FAX:017-734-8050

この記事をシェアする

  • facebookでシェアする
  • twitterでシェアする
  • LINEでシェアする

フォローする

  • facebookでフォローする
  • twitterでフォローする