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更新日付:2014年4月8日 青少年・男女共同参画課

青森県女性ロールモデル 斎藤真紀子さん

仕事を進める上での能力に男女間の差はないと思います。
周囲の男性たちをあっと言わせるようなパワフルで女性らしい仕事をしていきましょう!

斎藤真紀子さん
特定非営利活動法人かなぎ元気倶楽部 常務理事
斎藤 真紀子さん(五所川原市)

【プロフィール】
 平成17年11月、特定非営利活動法人かなぎ元気倶楽部の立ち上げに参加し、翌18年春から、法人マネージャー兼津軽三味線会館支配人を経て、平成23年10月より同倶楽部の常務理事に就任。金木町やその地域に住む人々を元気にしたいという気持ちから様々なイベント活動の企画に携わっている。
 現在、青森ひばの森と旧森林鉄道の軌道跡をトレイルルートとして観光客に提供する「奥津軽トレイル」などの企画に取り組んでいる。

斎藤真紀子さんの主な分野 「まちづくり」「NPO・ボランティア」

チャレンジのきっかけは?

これは私の天職!

 私はこの仕事に携わる前は、金木町商工会の職員でした。若い頃から、ボランティア活動やイベント事業に裏方として携わることが多く、特に地域振興や観光業務に興味を持って取り組んできました。

 平成17年に五所川原市と金木町、市浦村の行政合併があったのですが、内心、「合併することによって、この地域の良さが失われてしまうのではないか?それまで地域に根差していた伝統や文化も薄れてしまうのではないか?」という疑念があり、それは今も変わりません。そして、商工会も五所川原市や市浦村の商工団体と合併の話がささやかれたりして、それまで金木町の商工会がこだわって守り続けたものが途切れるかもしれない、と感じたのです。

 金木町にある伝統や文化は金木町の人たちが守っていくべきだと考え、そのようなことから誇れる地域は自分たちで守ろうと、新しい組織「かなぎ元気倶楽部」が平成17年の11月に立ち上がることになりました。「これはもう私の天職だ!私がやるしかない!」と思い、平成18年春に商工会から思い切って元気倶楽部に転職したのが今の始まりです。

津軽三味線会館の飾り 青森県と三味線

これまでのみちのり

かなぎ元気倶楽部カラー

 初めての仕事は、斜陽館と三味線会館の管理運営でした。この2つの施設は平成18年4月から指定管理に移行するということで、公募にあたっては県内、市内のいろいろな団体が名乗りを挙げました。

 地元で誇れるものを自分たちが守らないで誰が守るの、という強い気持ちがあったので、元気倶楽部も「私たちがやります!」と手を挙げたのです。立ち上げたばかりで業務の実績は何もなかったのですが、「私たちは民間ならではのサービスを基本に確実な実績につなげたい」ということを論理的に主張した結果、斜陽館と三味線会館の指定管理者に選定されることになりました。

 私たちが管理運営を受け継いだからには、オリジナル性を持ってやっていかなければなりません。来てくれたお客さんに喜んでもらえるような仕組みを考えようと、館内をスタッフみんなが案内するようなサービスを始めました。また、お客さんを連れてきてくれた添乗員さんにもメリットがなければいけないということで、斜陽館などの施設に入る際、現金のみで対応していた精算システムに新たにクーポンを取り入れ、簡単に精算できるような仕組みを導入しました。

 役所が管理していた頃とは違うんだぞ、という部分をアピールして斜陽館と三味線会館を運営していった結果、来てくれる観光客も徐々に増えていきました。今日に至るまでかなぎ元気倶楽部ならではのカラーを作るために、みんなで知恵を絞り、いろいろと試行錯誤を繰り返してきた結果が徐々に実を結びつつあります。

三味線のポスターと斎藤真紀子さん

家族からは反対

 家族に、商工会から元気倶楽部に転職しようと相談したとき反対されましたね。商工会は、どちらかと言えば安定した組織なのですが、元気倶楽部は立ち上がったばかりで実績もない組織だったので、「そこに行って何になるの」という感じでした。

 意志が固かった私の背中を押してくれたのは夫です。でも勤めだしてから、斜陽館と三味線会館が閉館した後で、給与計算や勤務シフトなどの事務的な組織基盤づくりに取り組んだため、家に帰るのも遅く、「5時に施設が閉館するはずなのに、こんな時間まで何をしているのか。一人だけでやることではないだろう」と言われることもありました。

 それでも私が仕事を続けてこられたのは、「金木が好きだ。金木のために何かできる会社のために」という強い気持ちがあったので、どんなときも自分を奮い立たせてきました。

 最初は理解してもらえませんでしたが、今では元気倶楽部の活躍もテレビや新聞で報道されるようになりましたから、私の体を労わってくれたりと応援してくれるようになりました。感謝しています。

悔しさをバネにして

 以前、大きなイベントを担当したとき、チケット販売で大赤字を出したことがありました。「責任を取らなければ」と深く思い詰めましたが、仲間から「高くついたけど、これはあなたにとっての勉強代だ。この悔しい想いを絶対忘れないで次につなげなさい」と言ってもらったおかげで、仕事に対する考え方や行動の仕方を根本的に考え直すことにつながりました。でも1年間ぐらい、失敗をずっと引きずっていましたね。立ち直るのに、本当に苦労しましたし、時間がかかりました。いつまでも失敗や悩みを引きずり続けてもいけないのですが、あのときの悔しさは今でも絶対に忘れていません。そのおかげで、いろいろな場面で「これはあのときと似たような感じだ、あのときはあれが原因で失敗しているから、今回は失敗しないようにしよう」と、気をつけるようになりました。いろいろな失敗をして味わった悔しさをバネにして次につなげていくという感じですね。

現在の活動状況や今後の目標など

「男だから、女だから」で差別しないで

 以前、契約の電話で「マネージャーをお願いします」と言われたことがありました。「マネージャーは私です」と言ったら、「斎藤さんって女の人なんだ」と言われたのです。「それがどうかしましたか」と尋ねると、しきりに「いやー女の人かー」とずっと言っているのです。全く意味が分かりませんでした。「やっぱり女の人なんだよね」と言われたとき、「女だから契約できないっていうの」と内心ものすごく腹が立ちました。失礼な人だったのですが、会社としては少しでも契約を増やしたかったし、お客さんにも来ていただきたかったので、そのときは我慢して契約を結びました。

 この一件以来、「男だから、女だから」で差別されるのは気に入らないなと感じるようになりました。全てにおいて男女平等を主張するわけではありませんが、やはり契約や経理といった仕事の面では男性も女性も関係なく、平等であってほしいと強く思っています。

三味線会館の飾り 牛の置物

お互いに補い合いながら一緒に取り組む

 また、「女性だから家事・育児は当たり前」と言われるのは、正直好きではありません。昔と違って今は共働きのところが増えてきているので、お互いに支え合えるところで支え合って、お互いを理解していかなければ生活していけないと思うのです。

 男性が協力してくれる家庭であればいいのですが、女性は仕事を一生懸命してから家に帰ってきて急いで食事を作ったり洗濯をしたり、子どもの世話をしたり、どちらかというと帰宅してからも女性の方が家事・育児の仕事が多いわけです。

 私の夫も、どちらかというと古い考えの人でした。私は「子どもは私たち二人の子どもでしょう、だから、家事・育児は『女性の仕事』というふうに決めつけるのはあり得ないと思う」と言ったことがあります。それからは夫にも気持ちの変化があったようで、ご飯を作ってくれたり、子どもの参観日や行事に参加してくれたり、子どもを病院に連れて行ったりしてくれるようになりました。

 家事・育児に関しては、「女性の仕事」と決めつけるのではなくて、お互いに補い合いながら一緒に取り組んでいくほうがいいと思っています。

金木町を元気にしたいという想いで活動する

 仕事をするときは、いつも葛藤しています。私と社員の中で意見が食い違うこともありますし、地域の方々と考え方が違って悩むこともあります。特に、地域の方々に対して地域づくりを一緒に呼びかけても「役所でもないのに何様のつもりだ」とか、「自分たちには全然恩恵がない。儲けているのは斜陽館と三味線会館ばかりだ」とか言われることもたまにあります。

 かなぎ元気倶楽部は、常に金木町や地域の方々に元気になってもらいたいという願いで活動しています。目に見えた形で成果を示すことは難しいのですが、斜陽館や三味線会館以外の場所にもお客さんを回せるような仕組みを一生懸命考えているので、いろいろな方からの意見をしっかり聞きながら、出来るだけ多くの人たちと共に金木町を元気にするような活動を続けていきたいと思っています。

これからチャレンジする女性へのメッセージ

パワフルで女性らしい仕事をしていきましょう!

 かなぎ元気倶楽部で働いているのはほとんどが女性で、年代も20代から50代と幅広いです。みんな、それぞれの家庭環境を抱えながら、一生懸命仕事をしているがんばり屋さんです。自分がいる組織を褒めるわけではありませんが、それぞれがお互いの事情を理解し、配慮しながらきちんと仕事をこなしてくれているので、かなぎ元気倶楽部のみんなには本当に感謝しています。

 世の中でも言われていることですが、仕事を進める上での能力に男女間の差はないと思います。むしろ、個々の得意な部分・不得意な部分を敏感に感じ取り、上手にバランスを取ろうとする感性は、女性の強みであると私は思っています。その部分を活かして、周囲の男性たちをあっと言わせるようなパワフルで女性らしい仕事をしていきましょう!

かなぎ元気倶楽部の皆さん

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この記事についてのお問い合わせ

青少年・男女共同参画課 男女共同参画グループ
電話:017-734-9228  FAX:017-734-8050

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