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更新日付:2008年7月1日 行政経営管理課

(2)2)「ESCO事業のしくみについて」

(2)2)「ESCO事業のしくみについて」
(財)省エネルギーセンターESCO事業推進部
課長 桧山 好浩 氏
※(「ESCO事業のしくみについて」 PDFファイル全文 PDFファイル:321KB
 それではさっそく「ESCO事業のしくみについて」ということについて説明をいたします。

【PDF資料p2】
 まず、ESCO事業の歴史です。ESCO事業というのは、生まれはアメリカです。
 第二次OILショックの時代、1970年代の後半ですが、アメリカで生まれまして、日本へは1990年代の中頃~後半に民間主導で導入されております。
 1996年に通産省、現在の経済産業省の中に「ESCO検討委員会」というものが作られました。
 翌1997年、省エネルギーセンターの中に「ESCO事業推進室」というものが立ち上げられまして、その中でこれ以降の事業が行われており、いろいろな研究会や委員会が立ち上げられまして、普及啓発に取り組んでいます。「ESCO推進協議会」ですが、これは1999年に設立されまして、最初は16の社や団体で始まっていますが、現在は132社(団体)まで大きくなっています。

【PDF資料p3】
 「ESCO事業」ですけども、先程から「ESCO」「ESCO」といっていますが、皆様ご存じかと思います。これは「エネルギーサービスカンパニー」の略でして、日本語に直しますと「お客さんにエネルギーサービスを包括的に提供するビジネス」というように訳されています。
 このESCO事業には大きな特徴があります。
 一つは「包括的なサービスをお客さんに提供する」ということです。「包括的」とはどういうことかといいますと、「省エネ診断」とか「設計・施工」「保守点検管理」「資金調達」すべてのことをESCO事業者が行うということです。
 それと二つめの特徴は、環境を損なうことなく、省エネルギーを行うと言うことです。
 そして、その省エネルギー効果を保証してくれる、ということです。またここには書いていないですが、もう一つありまして、全ての経費を省エネ削減分により賄う、ということがあります。

【PDF資料p4】
 この図はESCO事業者とお客さんの関係を示しています。
 この両者の間にはパフォーマンス契約が結ばれます。これには省エネ量や省エネ金額ですとか契約年数などが書かれています。
 ESCO事業者からは先程も申し上げました「包括的サービス」が受けられます。それに対してお客さんは「サービス料を支払う」という関係になります。

【PDF資料p5】
 この図は「ESCO事業」がどういうものかを図にしたものです。
 現在の状況、「ESCO事業導入前」の光熱水費の支出をベースラインとします。
 この状態でESCO事業を導入しますと、省エネ効果で光熱水費が下がります。下がった分でお客さんの利益ですとかESCO事業者の経費や金利、初期投資の回収することになります。
 こういう状態を数年から十数年行って、ESCO事業が終わりますと、省エネ効果分が全てお客さんの利益になります。

【PDF資料p6】
 「ESCO事業」を導入することの利点ですが、ここに四点書かれてあります。
 一つは「新たな負担を必要としない省エネルギー促進策」ということです。
 全く費用がかからないかといえば、そういうことではなく、あくまでも「初期投資費用がいらない」ということです。なので、導入するまでの事務費や人件費などは当然ながら発生します。
 二番目ですが、ESCO事業者が省エネ効果を保証してくれる、ということです。
 例えばESCO事業を導入する場合、省エネ量は3割です、ということで契約書にて契約します。
 しかし実際は2割しか減らない、となった場合、では、残りの1割はどうなるかというと、その1割はESCO事業者が補填してくれるということです。
 その1割の支払い方ですが、現金による支払いということもありますが、多くの場合は無償で違う設備を入れて、約束した省エネ量まで下げるというやり方が実際に多く行われています。
 三番目は、先程から申し上げております「包括的なサービスが受けられる」ということであります。
 最後に四番目ですが、省エネ効果の計測、検証ということがあります。
 ここで、良いことばかり話したのですが、悪い面もあります。
 それは一つには、導入するまで手間暇がかかるといいますか、面倒な手続きが必要になるということです。
 それと、ある程度消費エネルギー量がないと導入ができない、ということです。
 例えば年間の光熱水費の支出が1億円あり、20%の削減できたとすると2千万円程度の削減を図ることができますが、施設の光熱水費が1千万円くらいしかかかっていないところだと、20%削減しても200万円しか削減が見込まれないことから、なかなか大きな設備は入れにくいということになります。
 それと、ESCO事業者によって省エネ手法が変わってくる、経費が変わってくるなど、業者によって省エネの内容が違ってくるということなどがあげられます。

【PDF資料p7】
 これはESCO事業と一般的な省エネ改修工事との比較したものです。
 一般的な省エネ改修工事の場合、ある老朽化した施設の設備を入れ替えようとした場合、いつも取引をしている業者さんに電話をして改修したいとの話をすると、当然業者さんでは見積もり・省エネ計算書を持ってくるかと思いますが、その省エネを保証してくれるというわけではありません。また、物を買って工事をして取付けます。そして、取り付けが終わったら、またいつもお願いしている保守メンテナンスの業者にお願いするといった個別の契約になってくるわけです。最初の省エネ量はあまり測定しないで終わってしまうのが一般的な省エネ改修であると考えております。
 それに対してESCO事業は「省エネ量を保証する」という立場から、当然お客さんにあった一番いい装置を選ぶことから始まりまして、その導入した機械の性能をフルに発揮させるために管理もしっかりしなければならないことになるのです。そうして運転が始まっても保守点検をしっかりしないと、機械の劣化によって省エネ量が下がってくるということもありますので、その点も念頭に置く必要があるのです。ですから一括契約として契約期間が終わるまでESCO事業がしっかり面倒をみる点が、一般の省エネ改修工事と違う点となります。

【PDF資料p8】
 これはESCOの契約方式で2つあります。ひとつは「ギャランティード・セービング契約」です。これは「自己資金型」といわれているものです。もうひとつは「シェアード・セイビング契約」ですが、これは「民間資金活用型」といわれているものです。
 これは何が違うかというと資金調達者と設備の所有者が違います。
 どちらもお客さん側になるのが「ギャランティード・セービング契約」です。
 どちらもESCO事業者側となるのが「シェアード・セイビング契約」です。
 サービス料の支払や契約期間終了後の考え方はどちらも一緒ですが、お客さんの利点が若干違います。
 「ギャランティード・セービング契約」ではお客さんが初期費用を準備していますので、支払うサービス料が少なくて済む、というのが利点です。一方「シェアード・セイビング契約」の利点はESCO事業者が資金調達を行いますので、金融上のリスクを背負わないということと、オフバランス化が図られるという利点があります。 

【PDF資料p9】
 これは、一般的なESCO事業導入のプロセスです。
 これは民間の場合なのですが、自治体さんはもう少し複雑になりますので、これは概略ということになります。
 まず、最初は自分たちで対象施設を選びます。当然、エネルギー消費量の大きい施設が対象となります。
 建物年数的には15年~25年くらいたった建物がESCO事業をやりやすいと言われています。
 施設を選んだら、今度はESCO事業者に声を掛けます。その際1社ではなく3社とか4社など数社に声を掛けて行った方がよいかと思われます。そうすると、予備診断(ウォークスルー)が行われ、1ヶ月くらいたちますと「提案書」が作られます。
 そこで提案書が出された5社なら5社の中で一番省エネ率の高い企業と話をすすめ協議を行い、合意に至れば今度はステップ3の「詳細診断」を受けるということになります。「詳細診断」を受けると、今度は最終的な提案書が出てきますので、また協議し合意に至れば契約、工事を行って運転に入る、そして契約期間の終了をもってESCO事業が終わるというのが大きな流れです。

【PDF資料p10~11】
 予備診断を受けるにあたって準備いただきたいものがあります。
 一つは建物の概要の分かるものです。竣工年月とか延べ床面積などが分かるものです。
 二番目としては、建物の運用状況が分かるものです。年間業務日数や業務時間帯などが分かるものですが、この場合あまりにも運用時間が短いと省エネ率が低くなり、ESCO事業はしにくくなるという判断もできることになります。
 三番目は年間エネルギー使用状況です。ここに「3年分」と書いてありますが、暑い夏、寒い夏、暖冬、寒い冬などもあるので、この「3年分」はベースラインを作るための資料となります。
 四番目はエネルギーに関するデータです。契約電力、契約種別、電力やガス、油の単価が分かるデータがあればいいと思います。
 それと設備・機器図面ですが、現在お使いになっている設備機器の図面や建物平面図が必要になります。設備機器については、そのスペックが分かるもの、仕様書とか仕様表とよばれているものですが、このデータがあればいいと思います。それと運転データですね。運転日誌があればどこか運用改善ができるだろうということをESCO事業者も判断できることとなります。

【PDF資料p12】
 ESCO事業の対象施設ですが、ここにも述べられているとおり「大量にエネルギーを消費する既設の建物」とありますので、新設の建物は基本的に対象にならない、ということになります。
 部門別にいいますと、産業部門は工場などです。あと民生部門のうちの業務部門ですね、オフィスや病院などありますが、学校などもあてはまります。
 残念ながら家庭部門や運輸部門は当てはまらないということになります。

【PDF資料p13】
 この表はESCO事業者がどういった手法で省エネを図るか、という手法の表にしたものです。
 高効率機器の採用を行うとか制御・運用の効率化を行うなどなのですが、これらは結局、最新の技術を持って省エネを図っていくということになります。


【PDF資料p14】
 ここからは、補助金の制度の説明です。
 今年は、すでに募集期間が終わっているのですが、ESCO事業で使える補助金を紹介します。
 これらは「新エネルギー・産業技術総合開発機構」、通称「NEDO(ネド)」での事業です。下の2つは、環境省からの補助金です。

【PDF資料p15】
 最初の「エネルギー使用合理化事業者支援事業」ですが、こちらは二つありまして、一つは事業者単独事業のものです。これは補助率1/3です。今年は5月31日まで募集がありました。
 募集時期が早いものですから、多分2次募集があるのではないかと思っています。この補助金は、25%以上の省エネ率がないといけないとされていますが、実際には20%以上あれば審査対象となると言われています。

【PDF資料p16】
 もう一つは複数事業者連携事業です。これは補助率が1/2に上がっています。これは複数の事業者で複数の建物にESCO事業を行った場合に、手間暇もかかるので補助率も1/2に上がっているものです。

【PDF資料p17】
 それとあとは、「住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業」というものがあります。
 これは建物に関わるものですが、これは1/3の補助率です。
 これも省エネ率は15%程度とされています。今年の分は5月26日で締め切られたようです。

【PDF資料p18】
 同じくBEMSですが、BEMSを導入した場合は、この補助金を使えるようです。これも補助率は1/3です。

【PDF資料p19】
 「民生部門等地球温暖化対策実証モデル評価事業」です。これも今年は5月31日で募集が締め切られたようです。

【PDF資料p20】
 それと「エネルギー供給事業者主導型総合エネルギー連携推進事業」というものがあります。
 これも4月27日に募集が締め切られておりますが、これは昨年度から出来た事業です。
 これはエネルギー供給事業者ですから、例えば東北電力さんですとかガス事業者などとESCO事業者とお客さんと三者で共同申請という形になります。この補助率は1/2と高いうえ、これには広報活動の費用もついてくるという特徴があります。

【PDF資料p21】
 これは、自治体さん向けの補助金ですが、「地域省エネルギービジョンの策定等事業」というものがあります。ESCO事業を導入するための補助金というのではなくて地域省エネルギービジョンの策定や重点テーマの策定などに係る調査事業に与えられる補助金です。

【PDF資料p22】
 さらに自治体さん向けには、日本政策投資銀行からの「PFI事業の融資制度」というものがあります。ESCO事業をPFIを使って行った場合、低金利でお金が借りられるものです。

【PDF資料p23】
 ここからは、国がESCO事業についてどのくらい期待しているかについて説明します。
 このグラフをご存じの方も多いかと思いますが、国では、今後、業務部門がどんどんエネルギーを消費していくだろうと推測しています。

【PDF資料p24】
 これを何とかしなければいけないということで、このような省エネルギー対策を行っているわけです。
 一つは、BEMSを使って省エネしていきましょう、ということです。それとESCOですね。そして規制措置、省エネ法ですね。これで業務部門のエネルギー消費を下げていこうとしているわけです。

【PDF資料p25】
 その中でESCOはBEMSの中に入っていまして、BEMSにおける省エネ量については、全体では年間160万klとしています。そのうち、100万kl相当をESCOによる削減を図りたいとしているわけです。

【PDF資料p26】
 ESCO事業の潜在的市場規模ですが、調べた年が98年と少々古いのですが、年間400万klくらいの削減量が見込まれるのではないかとされています。規模としては2兆4千億円余りあるようだと推測されています。あくまで机上計算ですので、表にあるように業務部門では省エネルギー率25%、単純回収年数7年とし、産業部門では省エネルギー率10%、単純回収年数4年という計算でこのような数字が算出されています。このデータが古いこともあり、新しくしようということで今年度は事業化し、現在これまでの結果を収集しているところです。

【PDF資料p27~30】
 ESCO事業の市場規模についてですが、2003年までは順調に伸びてきたのですが、2004年には下がっております。
 しかし、よく見ると受注件数は、2003年は230件、2004年は222件と大差がありません。ですから、件数で金額を割っていただくと分かるのですが、1件あたりの金額が小さくなっているということが言えます。その原因なのですが、最近の原油高で石油コージェネレーションが入りにくくなっている、というのが主な原因だろうと推測しております。コージェネレーションは非常に高額な設備なものですから、それによって金額が小さくなっているのではないかと思っています。これは先程の改修工事の推移について部門別にしたものですが、産業部門の落ち込みが著しいということが分かります。これは、省エネ改修工事の推移のグラフで言えばオレンジ色の部分にあたり、パフォーマンス契約付きですのでESCO事業の受注実績を部門別に示したグラフとなり、ここでも産業部門の落ち込みが目立っています。

【PDF資料p31】
 これは地方公共団体のESCO事業導入件数の推移なのですが、昨年度は26件、トータルでは全国で85件となっております。今年ももう既に4件公募が出ておりますので、今年も20件は超えるだろうと見込んでいます。

【PDF資料p32】
 これは、小さくて見づらいのですが、日本地図の上に自治体のESCO事業導入結果を載せてあります。88件とありますが、これには国の建物も3件ほど含まれています。

【PDF資料p33~34】
 ここには導入事例を出させていただきました。
 これは、どういう目的でここに掲載したかと言いますと、延べ床面積の小さいところでもESCO事業を導入できているということをお話したかったのです。
 例えば、ここに掲載したうるま市の施設ですが、これは沖縄県にありまして昨年、石川市と具志川市、勝連町、与那城町が合併してできた新しい市で、複数の庁舎・施設を同時に公募してESCO事業を行ったものです。
 それと備前市庁舎で、これは岡山県です。それと大阪府中河内府民センタービルですね。そういったところでも実施しています。あと三鷹市コミュニティーセンターなども小さい施設ではありますが、ESCO事業を行っています。

【PDF資料p35】
 最後にESCO推進協議会ですが、これは民間団体です。表に色が付いているものがありますが、これは協議会のメンバーの中で実際にESCO事業をおこなっていると申請のあった企業です、ということを示しています。なぜ、こういうことを述べているかというと「ESCO事業をやっています」と触れ回っている事業者も多いのですが、中にはあやしいところもあるわけで、もしESCO事業を導入したいのであれば、この団体の中からお選びいただければ安心しておまかせできるのではないかということで載せました。
 また、昨年度から省エネルギーセンターでは、「優良ESCO事業」という表彰制度を設けました。
 昨年は小松製作所小山工場のESCO事業で株式会社日立製作所によるものが金賞を受賞し、銀賞が住友軽金属工業(株)名古屋製造所で株式会社ファーストエスコによる省エネESCO事業、第三位が名古屋銀行さんと株式会社トーエネックさん、そして、特別賞としてダイエーさんと山武さん、読売新聞東京本社さんと日本ファシリティ・ソリューションさん、神戸市の須磨の水族園と山武さんなどが表彰されています。その他、いろいろなESCO事業者さんを表彰いたしましたが、表彰するということで信頼度が上がり、よりよいESCO事業をやっていただけるのではないか、と考えております。

【PDF資料p36】
 ESCO事業については、省エネルギーセンターまで言っていただければ、他にもいろいろな資料、契約書のひな形などもございますので、ぜひ参考にしていただければ、と考えております。

 私の説明は以上です。ありがとうございました。

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