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更新日付:2017年3月1日 統計分析課

よくわかる統計トピックス

 「よくわかる統計トピックス」では、最新の統計情報をもとに統計の活用方法、見方などについて分かりやすく解説をつけ、簡単にまとめたものを毎月随時掲載していきます。

【平成26年度、平成27年度に公表したトピックスをまとめて冊子にしました。下記からダウンロードできますので御利用ください。】

産業連関表のしくみと見方

1 はじめに
 新聞、テレビなどで話題になる「経済波及効果」という言葉を皆さん一度は聞いたことがあるかと思います。
 経済波及効果とは、ある産業に新たな需要が生じ、その需要に対応する生産活動が拡大すると、原材料や資材などの取引や消費活動を通じ、他の産業に次々と、水面に投げた石が波紋を起こすように多方面へ影響を及ぼす過程のことをいい、「産業連関表」を用いて推計することができます。
 今回は、この経済波及効果の推計に必要な「産業連関表」のしくみと見方についてご説明します。
2 産業連関表とは
 産業連関表とは、ある地域において、一定期間(通常1年間)に、産業(企業)、政府、家計などの経済主体が行った、財(モノ)・サービスに関する取引を行列形式でまとめたものです。
 わかりやすい例として、図1の自動車産業の流れで考えてみましょう。
 自動車という商品を生産するためには、車体、エンジン、タイヤ、バッテリーなどの数多くの製品(原材料)が必要になります。このうち車体を作るためには鋼板等が必要となり、鋼板を作るためには鉄鉱石を購入し、コークスを投入して製錬しなければなりません。さらに製錬するためには高炉も必要となります。このように自動車産業はさまざまな産業と相互に密接な取引関係を持っており、自動車に対する需要が増えた場合、自動車産業のみならず、関連する各産業の需要増加につながっていきます。
 また、生産活動が盛んになれば、そこで働く労働者の所得も増加しますが、それは新しい消費を生むこととなり、需要の増加へとつながっていきますこうした経済活動の状況を、さまざまな統計データを使って一覧表にしたものが「産業連関表」となります。
自動車生産の流れ
3 産業連関表のしくみ
 産業連関表をタテ(列)方向にみると、生産のために原材料等をどこからどれだけ買ったか、また、新たに生まれた価値はいくらかが分かります。このうち、使用した原材料等のことを「中間投入」といい、生産活動によって新たに生み出された価値(賃金(雇用者所得)や企業の利潤(営業余剰)等)のことを「粗付加価値」といいます。
 また、ヨコ(行)方向にみると、各産業が生産物をどこへどれだけ売ったかが分かります。このうち、各産業に対して原材料等として使用するための中間財として販売した分を「中間需要」といい、家計で消費されたり、企業で設備投資されたりするための最終財として販売した部分を「最終需要」といいます。
産業連関表のひな形
4 平成23年青森県産業連関表でみた場合
 ここで、実際に表2の平成23年青森県産業連関表(3部門)をみてみましょう。
 第1次産業を例に「タテ(列)」方向にみると、3,767億円の生産をするために、第1次産業から387億円、第2次産業から900億円、第3次産業から602億円の計1,890億円の原材料等を購入し、1,877億円の新たな価値を生み出したことが分かります。
 一方、第1次産業を例に「ヨコ(行)」方向にみると、県内生産額3,767億円の販売先を知ることができます。第1次産業からは、第1次産業へ387億円、第2次産業へ1,690億円、第3次産業へ117億円の計2,195億円をそれぞれの産業の原材料等(中間財)として販売し、家計などの消費に378億円、企業などの投資に74億円、県外への移輸出に2,314億円の計2,766億円を最終財として販売したことが分かります。
 この結果、中間需要と最終需要の合計である需要合計は4,960億円となり、第1次産業の生産額3,767億円を超えてしまいます。これは、県内の需要に対する不足分1,194億円を、県外から購入(移輸入)したことを示しています。
平成23年青森県産業連関表(3部門)
5 投入係数と逆行列係数
 産業連関表は、それ自体でも県内の生産構造や産業間の相互依存関係、県外取引などの実態がわかりますが、産業連関表から算出される各種係数を利用することによって、公共投資やイベント開催などの特定の施策が、各産業部門にどのような経済波及効果をもたらすかを分析することができます。
 産業連関表を使った分析を行うには、「産業連関表(生産者価格評価表)」、「投入係数表」、「逆行列係数表」の3つの表が基本となります。

 投入係数とは、産業連関表のタテ方向の費用構成に着目したもので、「ある産業で生産物を1単位生産するのに必要な、各産業部門からの原材料等の投入割合を表す係数」です。この係数は、各産業のタテの投入(購入)額を、その産業の県内生産額で除して求めます。この投入係数を一つの表にまとめたものが投入係数表です。
 表2の平成23年青森県産業連関表をもとに投入係数を計算すると、表3の投入係数表のとおり、第1次産業が387÷3,767=0.10、第2次産業が900÷3,767=0.24、第3次産業が602÷3,767=0.16となります。仮に、第1次産業に100万円の需要が発生した場合、第1次産業から10万円(100万円×0.10)、第2次産業から24万円(100万円×0.24)、第3次産業から16万円(100万円×0.16)の原材料等を購入するということになります。
 一方、逆行列係数は、投入係数表から数学的に求められるもので、「ある産業への最終需要が1単位増加したとき、(直接・間接の効果を通じて)各産業の生産が最終的にどれくらいになるかを表す係数」となります。この逆行列係数を一つの表にまとめたものが逆行列係数表です。
 表4の逆行列係数表をタテに見ると、第1次産業に1単位の需要が生じた場合、生産波及を繰り返しながら最終的には第1次産業に1.0649、第2次産業に0.1184、第3次産業に0.1855の生産が喚起されることが分かります。
投入係数表・逆行列表
6 産業連関分析シート
 本県では、青森県統計データランドにおいて、産業連関分析シートを公開しています。
 このシステムでは、分析内容によって7種類の分析シートを用意しており、各シートの白抜きセル(主に新規需要額と消費転換率)に数字を入力するだけで簡単に経済波及効果を計算することができます。

(1)需要額が増減する場合
 ある産業部門に一定の需要が生じた場合の県内経済の波及効果。
 例えば、建設投資があった場合、イベントを開催した場合。
(2)生産額が増減する場合
 ある産業部門の生産額が増減する場合の県内経済の波及効果。
 例えば、企業誘致により工場が立地し、ある品目の生産が増加する場合。
(3)雇用者所得が増減する場合
 雇用者所得の増減により生じる県内経済の波及効果。
 例えば、減税により所得が増加する場合、給与削減により所得が減少する場合。
(4)移輸出が増減する場合移輸出の増減により生じる県内経済の波及効果。
7 おわりに
 ここまで、産業連関表のしくみと見方について簡単にご説明しました。
 青森県統計データランドには、「青森県経済の構造-平成23年青森県産業連関表報告書-」を掲載していますので、 さらに詳しく知りたい方はご活用下さい。
 また、経済波及効果の算定については、青森県統計データランドにおいて「やさしい産業連関表の見方と使い方」及び「産業連関分析シート」を公表しておりますので、そちらも参考としてください。

青森県統計データランド
(「統計一覧」-「経済統計」-<青森県産業連関表>をご覧ください)
http://www.pref.aomori.lg.jp/kensei/tokei/dataland.html

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統計分析課 経済統計グループ
電話:017-734-9168  FAX:017-734-8038

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