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更新日付:2014年6月30日 世界文化遺産登録推進室

連載企画『縄文遊々学』

第81回 一個の土器ができるまで(1)
 特別史跡三内丸山遺跡からは非常に多くの土器が出土しています。土器のほとんどは小さな破片でばらばらの状態で出土します。たまに、子どもの墓や住居の中から原型をとどめた壊れていない土器も出土しますが、そのような場合は珍しいといえます。現在も出土品の整理作業が続けられていますが、これまでに約5800個の土器が復元されました。ひとつの遺跡としては日本で最も多く土器が出土した遺跡と言っていいでしょう。

 ばらばらの破片で出土する土器ですが、まず、発掘調査現場で慎重に取り上げられます。全てではありませんが、位置が記録され、出土状態を写真に撮り、梱包され室内に運ばれます。
 そして、水で洗浄され、土器に付着した土や泥が丁寧に取り除かれます。特に割れ口の部分は丁寧に洗浄する必要があります。そうしないと後で破片同士を接合する際にぴったりと割れ口同士が合わないことになり、本来くっつくものがくっつかないと判断されたり、あるいは組み上げて元の形に近づいた時にゆがんでしまう原因になります。

 乾燥後、次に土器片ひとつひとつにいつ、どこから、どのような状態で出土したのかなどの情報が土器の内面側に小さな文字で書き込まれます。この作業を注記(ちゅうき)といいます。土器の戸籍といっていいでしょう。
 例えば、2013年の三内丸山遺跡の発掘調査で、南盛り土の第三層からまとまった状態で出土したとすると、13三7(※)B-105 3(※)P-1といった具合に書き込まれます。この場合の7(※)B-105は遺跡の中での位置を表します。遺跡には通常座標が設定されており、三内丸山遺跡ですと縦軸が数字、横軸がアルファベットで表記されます。Pは土器Potteryの略で、数字はその土器の固有の番号です。これをあの小さな土器に書き込むことになります。以前は細い面相筆で手書きでしたが、最近はパソコンで文字を入力し、プリンターで印刷する方法が普及しています。もし、この注記がされていないと戸籍がないのと同じで資料としての価値を大きく失ってしまいます。

 注記された土器はようやく破片同士がくっつけられる接合が行われます。まずは似た特徴を持つ土器が集められ、それこそ割れ口の状況や色、厚さ、模様などを見比べ接合されます。いわゆるジグゾーパズルと同じ要領です。接合した場合には裏側にチョークで印がつけられ、テーブルの上に展開図のように並べられます。いきなり接着剤が使われることはありません。ひたすら土器同士を手に取り接合が繰り返されます。おもしろいように接合する場合もあればそれこそ何日も全く接合しないこともあります。まさしく答えのないジグソーパズルなのです。(続く)

(※)注記「7」「3」「7」はローマ数字表記
  • 土器の出土状況
    土器の出土状況
  • 注記された土器
    注記された土器

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世界文化遺産登録推進室
電話:017-734-9183  FAX:017-734-8128

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