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更新日付:2012年2月22日 世界文化遺産登録推進室

連載企画『縄文遊々学』

第58回 縄文人は歯が命
 突然の歯痛に我慢できず、三年ぶりに歯科に行きました。結局、昨年末に抜歯しました。麻酔のため、痛みはほとんど感じませんでしたが、抜くときの何ともいえない感触と抜いた後に本来あるべきところに歯がない微妙な違和感が残りました。

 エナメル質の丈夫な歯は遺跡から出土することが度々あり、三内丸山遺跡からも幼児や成人の歯が出土しています。
 虫歯は立派な病気で、細菌による感染症のひとつです。北海道伊達市の噴火湾研究所の大島直行所長さんによると縄文人には明らかに虫歯が見られるとのことです。しかし、北海道の縄文人には確認されてはいないそうです。虫歯の原因は摂取する食料によって大きく影響を受け、でんぷん質の食料を多く摂ると虫歯になりやすいとのこと。と言うことは、北海道の縄文人に虫歯がないことはでんぷん質の食料を多く摂っておらず、動物性タンパク質に依存していたことが考えられます。これは骨に含まれる窒素同位体の分析した北海道大学の南川雅雄先生によってもこのことが裏付けられています。本州の縄文人に虫歯が見られることはでんぷん質を摂る機会が多かったためと考えられます。

 さて、虫歯に悩まれた縄文人はじっと痛みに耐えるしかなかったようです。というのは虫歯を意図的に抜いた痕跡が見られないからです。もっとも痛みを和らげるような薬草や毒キノコの利用はあったかもしれませんが。

 一方、縄文時代には虫歯ではない健全な歯を抜く抜歯や歯を削る研歯という風習がありました。上下の犬歯を抜いている例が多いようです。目的には諸説ありますが、痛みに耐え、大人になるための通過儀礼や、婚姻、配偶者や肉親の死を迎えたときに抜いたとも考えられています。本県の六ヶ所村弥栄平(1)遺跡から見つかった縄文女性は抜歯の痕跡が確認されています。なお、この女性は人類学者の鈴木尚先生によって復顔が行われ、現在県立郷土館に展示されています。

 昔、芸能人は歯が命というCMがありましたが、健全な歯を意図的に抜いているにも関わらず、虫歯の痛みにはじっと耐える縄文人の姿が想像されますが、日常生活においてやはり歯が命であることにはかわりがありません。
  • 三内丸山遺跡出土のヒトの歯
    三内丸山遺跡出土のヒトの歯
    (虫歯はないようです)

  • 抜歯の様子
    抜歯の様子

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電話:017-734-9183  FAX:017-734-8128

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