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更新日付:2012年1月25日 世界文化遺産登録推進室

連載企画『縄文遊々学』

第54回 世界遺産と観光
 世界遺産はさまざまな効果をもたらしますが、観光もそのひとつとされています。JTBのアンケートによると、回答者の約6割が国内の世界遺産を訪れたことがあるとしています。旅行先が世界遺産かどうか、目的地の選択の基準になっているわけです。なお、行き先の第1位は日光の社寺、第2位は古都京都の文化財、第3位は厳島神社となっています。ちなみに今度行ってみたい世界遺産は、第1位は屋久島、第2位は白神山地、第3位は紀伊山地の霊場と参詣道、となっており、自然とのふれあいや自然の癒しを求める傾向が見られます。

 内閣府による世界遺産登録前後の見学者数の推移(『地域の経済2005』)では、世界遺産に登録されたほとんどの地域は登録の年や翌年は観光客が増加しているものの、その後は二極化している、としています。表を見ると、登録後急増したところは白神山地、屋久島、白川郷、グスク遺跡群などで、あまり変化がなくその後やや増加しているのが古都京都、原爆ドーム、古都奈良、日光の社寺、そして登録後も減少しているものが法隆寺、姫路城、厳島神社などとなっています。

 これを見る限り、観光地として知名度が高くない地方ほど観光客の増加は顕著であり、すでに有名な観光地では効果があまり見られないと言えます。また、当初は増加したもののその後減少したところもあり、世界遺産登録の効果の持続性が課題となるようです。減少後再び増加したところは、世界遺産も含めた総合的なキャンペーンなど観光に関する施策や情報発信の効果が大きいとも考えられます。つまり、大幅に増加しているところは地方であり、また、観光地としてすでに定着しているところはあまり影響や効果が顕著ではないことが読み取れると思います。

 昨年3月の震災後、東北地方への観光客は大きく減少しました。お隣の岩手県でも観光客は大きく減少しましたが、それをV字回復させたのが6月の「平泉」の世界遺産登録でした。やはり、世界遺産という金看板の効果はきわめて大きいものと思われます。本県の三内丸山遺跡でも東北新幹線新青森駅開業に伴って大幅に見学者が増えていましたが、やはり震災を機に例年の6割近くまで減少しました。その後、東北新幹線の復旧や観光デスティネーションキャンペーンなどもあり、例年並みまでに回復しました。

 世界遺産登録は観光客の誘致や地域の活性化のために行うものではありませんが、やはり登録後の地域への波及効果、特に観光面での期待は大きいと思います。世界遺産は観光地として非常に誘客力のある、そして地方ほどその効果が絶大であることを、これまでに世界遺産となった文化遺産は明確に示しています。しかし、その効果には間違いなく期限があるようです。世界遺産となり、マスコミ等への露出が多くなり話題や関心が高まり多くの観光客が訪れている間に、文化遺産のさらなる魅力アップや効果を持続させる方法、そして総合的な戦略を構築することが必要です。まさしく地域の発想と実行力が問われるわけですので、地方の実力を発信する絶好の機会でもあるわけです。
  • 世界遺産見学数
    世界遺産登録前後の見学者数の推移(『地域の経済2005』)

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世界文化遺産登録推進室
電話:017-734-9183  FAX:017-734-8128

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