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更新日付:2011年8月25日 世界文化遺産登録推進室

連載企画『縄文遊々学』

第48回 発掘調査今昔
 猛暑が続く中、県内各地で発掘調査が行われています。これらの発掘調査の大部分は、建物建設や道路工事などによって遺跡が破壊される場合、法律に基づいて事前に行われるものです。したがって、発掘調査が終了すると直ちに工事が行われ、やがて遺跡はなくなってしまいます。

 発掘調査は野外作業ですので、本県では雪が降る冬期間には行うことはできません。新年度になり、準備を整える必要もありますので早くとも4月中旬から初雪の便り聞かれるようになる10月一杯というのが平均的な期間と言えます。もちろん、降雪が少ない県南地方ではもう少し長く行われることもあります。しかし、寒さや降雪もそうですが、日が短くなると記録用の写真撮影が難しくなってしまいます。

 作業の進み具合は天候に左右され、雨の日には中止となる場合もあります。ですから晴れが続くことは大歓迎ですが、あまり暑い日が続くと地面の乾燥が進み、地層の見分けがつきにくくなります。また、熱中症も心配です。学生時代には、その日の仕事が終わってからのビールを楽しみに、日中の水分摂取を控え、力仕事を担当することもありましたが、今にして思えば随分無茶をしていたわけです。

 発掘調査は掘ることが基本で、竪穴住居や貴重な出土品を慎重に掘り出すことに多くの労力を必要としますが、あわせて記録をとることも大事な作業です。どんなに美しい土偶が出土しても、それがどの地点や地層から、どのような状態で見つかったのかが記録されないと、その土偶は美術工芸品としては価値があっても歴史資料としての価値は半減してしまいます。
測量の様子(三内丸山遺跡)
 そのため、最新の測量機器が発掘現場で活躍しています。以前は、測量と言えば平板測量でした。学生時代にはその方法をみっちりと先輩からたたきこまれたものでした。測量ができないと満足な発掘作業は期待できないからです。しかし、時代とともにデジタル機器が一気に発掘現場に進出してきました。現在では、光の反射を利用し、短時間で正確な測量ができるようになっています。

 測量データは室内に持ち帰り、コンピューターで作図や管理されることになります。このため、発掘調査で得られるデータ量は以前に比べると格段に多くなっています。そのこと自体は悪いことではありませんが、そもそも測量の対象は人間が掘り出したものであり、何を記録するのかその判断も人間が行うことになります。機器の精度は高くなったとしても、人間が使うことにはかわりはありませんので、それこそ使う人間の意識がどうであるのかが問題となります。コンピューターという精密機器を使用して得られるネット上の情報が必ずしも正確さを保証されていないのと同じで、機器の性能に伴って使用する人間の意識もより高いものが求められるのは当然で、「何を記録するのか」が問われていると思います。

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世界文化遺産登録推進室
電話:017-734-9183  FAX:017-734-8128

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